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「コハイのあした」 第3-2回 -コミュニティ形成の一助として

2020年1月24日 (金)

話題生活の多様化が及ぼす具体的な影響は何か?個配では「受取」の場面がそれにあたる。「宅配」といわれた玄関での受け渡しは急速に減少しつつある。在宅率、生活時間、受領頻度、などの条件設定から選択できる「基本お届け方法」。受取り方に応じた配送完了の種別こそが、複合サービスの真骨頂となる。

■ 「受け取る人々」の高齢化問題

限界集落は人口過疎化が進む地方部のみならず、従来の意味から派生して、都市部に点在するいくつかの場所で発生原因と実態を変えて存在している。たとえばかつての大規模ニュータウン。高層マンション群の周辺を覆う氷室のような日陰とともに現存する再開発から取り残された人口密集地。老朽化は住宅だけでなく住民にも見舞う。特に深刻なのは高齢化が進む大規模団地だ。引きこもりや近隣との交流の希薄化などが社会問題として年々顕在化している。平均年齢65歳超という都市部の大団地は今後珍しくなくなる。高齢者に関してだけ言えば、人口過疎地の人々のほうが圧倒的に元気で活動的である。窓の開閉や電灯の点消などで住民の平常・異常が察知可能だし、習慣的に声掛けが浸透している。「共同」という枕詞がつくいくつかの行事や規則も、孤立や所在の不知を防止している。結果として社会参加と外出や交流といったQOLの基本要素がまかなえる。

■ 「注文する」から「受け取る」まで

しかし食材や日用品などの基本的な生活物資の供給については危うさに満ちている。以前から「最も個配機能を必要とするのは高齢者」と書いてきたが、繰り返して記す。商業施設が撤退し、生活圏に購入できる場所がなくなった人々は、ネットスーパーが最も便利で気軽に利用できる手段だ。ネットショッピングはお年寄りには難しい、などと乱暴に突き放すのではなく、行政主導で下の世代がヘルプすればよい。公民館や集会所など、地域や団地内の施設に「ネットショッピングの注文受取センター」を設けるなどは一案としてどうだろうか。PCの画面を見ながら高齢者自身が発注してもよいし、横にセンターの人員(ボランティアでないほうがよりよい)が寄り添い、買い物を介助すればいい。同所で受け取り代行までできる場合は一括配送できるうえに不在がないので、販売店は特段の配慮をさまざまにできそうだ。もちろん各住戸への個配も可能だが、わざわざ受取りに来ることで外出と会話が発生するし、人によっては楽しみとなりえる。重い・大きい場合には、自宅まで一緒に運ぶ。買物の注文と受領という日々の行為が、コミュニティ内での会話や交流の一端を担うのではないだろうか。

■ 関与企業はCSR の一環として

販売者や配送者である各企業は、通常業務の一部としてだけにとどまらず、自社のCRS項目に「高齢者参加型のコミュニティ活性化を助成」と加えて欲しい。コスト面だけではなく機能の充実と拡張に、人的な補助や備品・施設提供などの継続的な参画を期待する。年をとってもそれなりに暮らしが成り立つ。そんな国であるために、自治体だけではなく各種団体や企業の理解と協力は不可欠。それぞれが考えを巡らせれば、光明がはっきりと見えてくる。

―第3-3回(1月28日公開予定)に続く

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