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日本貨物航空、グローバル会計基盤を構築

2010年9月6日 (月)

ロジスティクスSAPジャパンは6日、日本貨物航空(NCA)がSAPの統合基幹ソフトウェア「SAP ERP」をベースにした「新財務・管理会計システム(i-Account)」を導入し、効率的なグローバル財務会計基盤を構築したことを発表した。

 

NCAは2005年、日本郵船の連結子会社として経営形態を変更したことに伴い、国内航空会社のシステムに依存していた業務を自立化する方針に転換。06年4月から「IT自立化プロジェクト」を立ち上げ、事業継続に必要なITシステム構築を行ったが、会計システムの刷新は課題として残っていた。i-Accountは、既に運用を開始していた「運航管理システム(i-Sky)」「整備管理システム(i-Macs)」「航空貨物運送システム(i-Cargo)」と緊密にデータ連携を行ったうえで、09年7月に本格稼働を開始。i-Accountの導入により、伝票処理の24時間無停止での自動化、グローバルレベルでの経営情報の一元管理を実現した。

 

貨物専門の航空会社であることから、旅客キャリアと同じ飛行ルートでも飛行時間・距離・燃料消費が毎回変動し、さらに臨時便やチャーター便もあるため、コストや利益率が便単位で常に異なり、採算分析が複雑になる。新システムでは、運航関連情報はi-Sky、貨物関連情報はi-Cargoから自動でタイムリーに取り込み、各種費用を適正に配賦できるようになった。また、これまでは難しかった路線別・貨物別収支情報を週次サイクルで把握し、レポーティングや多次元分析を可能にした。どの路線の増便・減便するかといった判断の裏付けも客観的で説得力のあるデータで提示できる。

 

NCAでは今後、i-Accountの柔軟なインフラを通したデータ活用により、経営層向けのダッシュボードの構築、業務のさらなるシステム化、商取引の電子化、IFRS(国際会計基準)対応なども検討する。