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ナイキ、ロボ200台導入拠点で出荷効率8割アップ

2020年7月2日 (木)

荷主ギークプラス(東京都港区)は1日、物流現場へのロボット導入効果を大きくするための物流コンサルティングサービスを開始し、最初の利用企業としてナイキジャパンと3月から10週間の生産性改善プロジェクトに取り組んだことを明らかにした。

ナイキジャパンは拡大するEC需要に対応するため、千葉県市川市の物流センターにギークプラスの物流ロボットを200台以上導入しているが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、省人化や「ソーシャルディスタンス」の確保と、高い出荷効率の実現が課題となっていた。

そこでナイキジャパンはギークプラスとの共同チームを立ち上げ、3月から10週間の生産性改善プロジェクトを開始。ギークプラスの解析ツールを用いてパフォーマンスデータを収集・分析すると同時に、現場へのヒアリングを実施した結果、アパレル・シューズ特有のSKU数の多さとセールの実施に伴う物流波動の大きさに対し「オーダーの処理方法とそれを受けたロボットのタスク生成に改善の余地を見出した」という。

ギークプラスでは、コンサルティング結果を受け、メモリを増設しながらオーダーの処理単位を大幅に拡大することで、最適化される範囲を拡大。出荷傾向に応じた最適なロジックの設定や、出荷量に応じた適切なステーションの使用を提案し、ナイキジャパン、物流オペレーターとともに、継続的に改善施策を見直し、週1回のペースで出荷効率を計測するテストを実施。結果として、プロジェクト完了後の出荷効率は1.8倍まで向上した。

ギークプラスは「コンサルティングによる短期的な改善だけでなくアプリの導入・活用定着によって現場がロボットを使いこなすための継続的な改善が可能となる」として現在、ロボットの生産性を可視化するアプリケーションの開発に取り組んでいる。

今後は「新型コロナウイルスの影響によるEC出荷量の増加を受け、ロボットの生産性を一段引き上げたいとの要望の高まりがある」として、ナイキジャパンとの共同プロジェクトで得た知見を生かし、コンサルティングサービスを同社以外に対しても提供する方針で、商品特性や入出荷傾向に応じてロジックの変更や追加開発にまで踏み込んで、ロボット導入効果を最大化するサービスを広げたい考え。