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まずはアルフレッサが導入

日立、再生医療用細胞のサプライチェーン基盤構築

2020年8月31日 (月)

メディカル日立製作所は8月31日、再生医療に用いられる細胞の採取から生産、輸送、投与までのバリューチェーン全体の細胞・トレース情報を統合管理するプラットフォームを構築した、と発表した。アルフレッサを最初の利用企業として、運用テストを経て2021年から実運用を開始する。

このプラットフォームは、厳格な品質管理と情報のトレーサビリティが必要な再生医療製品を対象に、検体の個体識別と細胞の採取、生産、輸送、投与の情報トレースを行うもので、全行程を網羅したスケジューリングや受発注管理が可能なほか、サプライチェーン全体を見通した分析やシミュレーションが容易になることから、バリューチェーンに関与する医療機関、製薬・物流・製造企業などすべてのステークホルダーが利用できる共通サービス基盤とする。

プラットフォームを活用することで、各社は自前の管理システムが不要となる。業務・企業間のシステムの違いから発生する煩雑な管理を軽減するとともに、データの一元管理によってセキュリティと事業の安心感を高める。

今後は医療・医薬品業界向けに展開していくとともに、流通で厳格な情報管理が求められるスペシャリティ医薬品への適用拡大や海外展開を行う。

最初の利用企業となるアルフレッサは、再生医療分野で川崎市に「殿町再生医療流通ステーション」を設置し、液体窒素を用いた設備機器などでマイナス150度以下の超低温の保管・輸送環境を整備しているほか、再生医療製品に特化した企業と資本業務提携などを通じて治験製品や再生医療製品の保管・輸送を手がけている。

今回のプラットフォームには開発段階から参画し、輸送資材の準備や輸送手配といった知見を日立と共有することにより、物流の一元管理と効率化を狙う。

▲プラットフォームの概要図(出所:日立製作所)