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全日空、佐賀で手荷物積付+輸送自動化の接続実験

2020年9月25日 (金)

ロジスティクス全日本空輸と豊田自動織機は25日、ロボットによる手荷物の積み付けと、自動運転トーイングトラクターによる貨物搬送を接続する国内初の実証実験を28日から10月5日まで佐賀空港で実施する、と発表した。

実験工程のみを切り離すのではなく、実際のオペレーションの一工程とすることで、3月に国内で初めてロボットによる貨物カートへの積み付けを実用化したトーイングトラクターの自動運転と接続し、自動化領域を広げる。

▲自動運転のルート(出所:豊田自動織機)

実験では、天吊りされたロボットアームがベルトコンベア上の手荷物を26秒に1個のペースで吸着してカートに積み込み、積み付け完了後に豊田自動織機のトーイングトラクターが最大時速15キロでカートを航空機までけん引。1周200メートルのコースのうち、車両通行帯を2回横断する。

両社は、今回の実証実験を通じて安全性やオペレーション品質、全体作業工程などを検証し、本格導入に向けた課題の整理や今後の具体的な業務設計につなげていくという。

空港内で行うトーイングトラクターの自動運転実証では、全日空が豊田自動織機の車両を使用し、日本航空が自動運転ベンチャーのZMP(東京都文京区)、丸紅の合弁会社であるアイロ(中央区)の車両と、海外メーカーTLD社の車両を使用し、成田・中部・関西・佐賀空港で実証実験を行っている。

物流分野で自動化設備の「連携」が持つ意義

ロボットの導入が進む物流現場では、導入工程の前後がボトルネックとなりがちなため、検討段階で足踏みする物流企業が少なからずある。

人手不足や長時間労働の改善が重要な課題となっている物流業界だけに、ロボットや自動化設備を「連携」させる一歩踏み込んだ試みを実際のオペレーション上で実施する全日空と豊田自動織機のプロジェクトが持つ意義は、物流オペレーションの完全自動化に近づくという期待感からも大きく注目されそうだ。(編集部)