三井E&SとゼンリンDC､港湾クレーン点検にドローン

調査・データ三井E&Sマシナリー（東京都中央区）とゼンリンデータコム（港区）は9月30日、ことし7月に鹿児島県志布志港で、ドローンを用いて港湾クレーンを点検する実証実験を実施したと発表した。

▲ドローンを活用した点検の様子

実験では、これまで目視で行っていた港湾クレーンの構造物点検の一部を、ドローンによる画像撮影とAIによる画像解析で代用できるかを検証。画像解析にオートマギ（Automagi、東京都新宿区）の「エイミーインフラチェッカー」を使用し、さびの有無などを確認できたことから、2021年度の実用化を向けてシステム構築を行う。

港湾クレーンメーカーである三井E&Sマシナリーは、クレーンに取り付けたセンサーから取得した状態データと稼働データをAIで解析し、クラウド上で保全管理を行うシステムを構築しており、今年度内にドローンによる点検結果を同システムと連携する。ゼンリンデータコムは、ドローン活用の技術的サポートと撮影画像のAI解析を担当しており、今後も両社共同で開発を進める。

将来的には、さびや塗膜剥離の検知から、該当か所の定量的な評価までを自動判定し、クレーンの3Dモデルと連携することで、クレーン全体の傾向をつかむシステムへと発展させることを目指す。これにより、作業員の高所作業や点検作業車の利用に伴う安全面・コスト面の課題や、技術者不足、作業員ごとの検査精度のばらつきといったの課題を解決し、検査によるクレーンの非稼働時間を低減する効果も見込めるという。