ヤマト･日野など6社、FC大型トラック走行実証開始

話題アサヒグループホールディングス、西濃運輸、ヤマト運輸、トヨタ自動車、日野自動車と、「物流の新しいかたち」を提案する共同出資会社として日野主導で設立されたNEXT Logistics Japan（NLJ、ネクストロジスティクスジャパン）の6社は13日、燃料電池（FC）大型トラックの走行実証を行うことで合意したと発表した。

国内商用車全体のCO2排出量の7割を占める大型トラック領域で、CO2の排出削減を目指したもので、FC大型トラックはトヨタと日野が共同開発し、アサヒグループ、NLJ、西濃運輸、ヤマト運輸、トヨタの5社が2022年春頃から、それぞれの物流業務で使用しながら走行実証を開始する。

アサヒグループとNLJは、アサヒビール茨城工場（茨城県守谷市）でビールや清涼飲料、同社平和島配送センター（東京都大田区）で洋酒やワインなどを積載し、NLJ相模原センター（相模原市南区）で荷下ろし、関西からの荷物を引き取って茨城工場に戻る走行ルートで実証。

西濃運輸は東京支店（東京都江東区）から相模原支店（相模原市緑区）向け、小田原支店（神奈川県小田原市）向けの荷物の拠点間輸送を、ヤマト運輸は羽田クロノゲートベース（東京都大田区）と群馬ベース（群馬県前橋市）の間で集約された宅配便荷物の拠点間輸送を行う。

トヨタは愛知県内の同社各工場と名古屋港の「トヨタ飛島物流センター」の拠点間で部品輸送を実施する。

使用する車両は「日野プロフィア」をベースとした車両総重量25トンの大型FCトラックで、新開発の大容量高圧（70MPa）水素タンクを搭載。駆動用バッテリーとして、リチウムイオンバッテリーを用い、目標航続距離600キロに挑戦する。

幹線輸送に使われる大型トラックは、十分な航続距離と積載量、短時間での燃料供給が求められることから、参加各社は「電動化ではエネルギー密度の高い水素を燃料とする燃料電池システムが有効だと考えており、今回開発するFC大型トラックは、航続距離の目標を600キロとし、環境性能と商用車としての実用性の高次元での両立を目指している」と説明、FC大型トラックの早期実用化に向けた取り組みを加速させる方針。