行政・団体5月22、23日に中国・蘇州で開かれたAPEC貿易担当大臣会合に、日本からは赤澤亮正経済産業大臣と堀井巌外務副大臣が出席した。地域経済統合の推進、WTO(世界貿易機関)改革、デジタル協力、グリーン経済などをテーマに議論し、成果文書として共同声明と「革新的・競争力ある・強靱なサービスへのロードマップ」を発出した。
物流分野に関わる論点では、サプライチェーンの強靱化や貿易回廊の維持、エネルギー製品や重要物資の安定供給が前面に出た。共同声明では、エネルギー製品や重要な派生品を含む必需品について、地域の供給網を維持する重要性を確認した。貿易の流れを止めず、重要インフラが世界のサプライチェーンの機能維持を支え続ける必要性も共有した。

(出所:外務省)
日本側は、アジア太平洋地域のサプライチェーンが国際情勢の不安定化に直面しているとして、石油製品の調達支援や、エネルギー・重要鉱物の調達多様化を進める「POWERR Asia」(パワー・アジア)の取り組みを説明。外務省によると、日本は緊急対応と中長期の構造的対応に向け、総額100億ドルの金融・財政面での協力を通じて地域連携を深める方針も示した。
堀井副大臣は、ホルムズ海峡の事態の早期沈静化がエネルギー安全保障や重要物資の安定供給の観点から重要だとし、すべての船舶の自由で安全な航行確保に向け、国際社会と連携を続ける考えを表明した。海上輸送の安全確保は、エネルギー、原材料、製品輸送のいずれにも影響するため、物流事業者や荷主にとっても供給リスクを見極める材料となる。
デジタル面では、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)やデジタル貿易、AI(人工知能)活用が議題となった。共同声明では、電子船荷証券や電子インボイスを含む貿易関連文書の越境的な電子化、税関手続きのデジタル化、ペーパーレス貿易の推進を明記した。国際物流では、通関、貿易金融、船積み書類などの電子化が輸送遅延や事務負担の削減に直結するだけに、制度整備と各国間の相互運用性が課題となる。
WTO改革を巡っては、日本側が非市場的な政策・慣行や過剰供給能力、恣意的な輸出規制、経済的威圧への懸念を示した。赤澤大臣は、公平な競争条件の確保を重視し、WTOへの通報に関する透明性向上や規律の更新に向けた検討を進める考えだ。供給網の分断や輸出規制は、物流ルートの見直しや在庫戦略、調達先分散にも波及する。
また、サービス分野では、今後10年の協力方針を示すロードマップが採択された。サービス貿易・投資の障壁低減、デジタル変革、技術標準、労働力のスキル対応、サービスデータの整備、中小企業の国際市場参加などを柱に据える。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。

























