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ヤマト運輸、上高地で共同配送に続き貨客混載

2020年11月6日 (金)

ロジスティクスヤマト運輸は6日、長野県松本市のバス会社・アルピコ交通と、松本市-上高地間の路線バスを使用した貨客混載事業を11月9日に開始すると発表した。両社は、マイカー規制が敷かれている上高地で、環境保全と路線バス網の維持、物流の効率化に取り組む。

この貨客混載事業では、ヤマト運輸が同社松本西支店から新島々駅バス停まで宅配便を輸送し、アルピコ交通のバスが新島々駅から奈川渡ダムバス停まで輸送、そこから先の配送をヤマト運輸の現地担当ドライバーが担う。

ヤマト運輸は、ことし4月から上高地の配送・集荷業務を佐川急便から受託し、2社共同配送・集荷を実現していた。この取り組みと今回の貨客混載事業は、ともに物流総合効率化法の認定を受けている。

▲貨客混載事業の概要図(出所:ヤマト運輸)

目指す場所は同じ――各社それぞれの道

ことしに入って貨客混載の流れが一気に加速した。春先のタクシー事業者による飲食物の配達業務、いわゆる「タク配」にしても、官民挙げてのキャンペーンを掲げ、それなりの効果をあげた。実施の無期限化は事業者と利用者にとって、一定の利益が認められたという判断によるものだろう。それらの動きに加え、個配各社や路線バス、鉄道を利用した「貨物配達と同時に旅客」「旅客業務と同時に荷物配達」なども各地で各様の試行がなされている。

着々と法改正への手順を踏んでいるように思い込むのは尚早かもしれないが、誰も困らず、地域振興や住民の生活物資確保の一助となるなら、この動きを止めたり緩めたりする必要はないはずだ。(企画編集委員・永田利紀)

ヤマト・佐川が共同輸配送、マイカー規制の上高地で