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三井不動産、柏の葉に屋外ロボット開発拠点

2021年6月11日 (金)

拠点・施設三井不動産は15日、柏の葉スマートシティの「イノベーションキャンパス地区」内に、ロボットやドローンなどの開発を支援する、敷地面積6545平方メートルの「KOIL MOBILITY FIELD」(コイル・モビリティ・フィールド)を開設する。2014年に開業したインキュベーションオフィスの「KOIL」、1月に開業した賃貸オフィス「KOIL TERRACE」に続くスタートアップなどの支援施設となる。

KOILシリーズでは初の屋外施設で、開発中のロボットなどの実証実験を、安全かつ簡便に実施できる「開発検証フィールド」として提供する。公道などを利用する実証実験は行政との手続きに時間がかかり、制約も多いため、首都圏よりも自由に実験できるエリアとして、企業や大学などの研究開発者に訴求する。

同施設は走行試験のための「モビリティサーキット」、ネット付き飛行試験施設の「ドローンフィールド」、ロボット草刈り機のための「草刈りフィールド」、トレーラーハウスの「作業室」などで構成。利用の際の手続きの簡略化にも努めるという。

▲イノベーションキャンパス地区(出所:三井不動産)

未来の「わが街」に物流事業者はどう関わるのか

交通や物流の手段にとどまらず、個人や企業の営み全体を包括する、総合的なインフラづくりや街づくりが現実化しつつある。これまでは「未来の街」「未来の物流」として仮想され、あくまでも「構想」として掲げられてきた画図が、実物となって稼働し始めている。トヨタのウーブン・シティを皮切りに、都市開発のプロである不動産事業者の参入が続くことは、今後の基調として疑いのないところだろう。

初めのうちは先端技術や革新的なシステムなどばかりが広報されるかもしれない。しかし、現実的に人が暮らせる街として、その動脈・静脈となる交通や物流の経路から、毛細血管のように生活インフラが張り巡らされるまでには、数多くの検証や実験、実際にそこに住む人からのヒアリングによって、大幅な修正や方向性の変更が求められるに違いない。

「夢の街」が「わが街」に変わるのはいつなのか。その時、物流業界のプレイヤーたちはどのように身構え、いかに行動し、市場に参加するのか。移り変わる時代への対応は、すべての物流事業者に課された命題であり、希望でもある。(永田利紀)