ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

環境汚染流出物への対応、10年で6兆円市場に

2021年8月26日 (木)

環境・CSR市場調査会社のSDKI(東京都渋谷区)は25日、化学物質や危険物、油など環境汚染の要因となる流出物の発生を抑える取り組みである「緊急流出対応」の市場は、2022年からの8年間に年率7.0%のペースで拡大し、2030年には540.8米ドル(5兆9500億円)に達するとの予測を明らかにした。港湾事業では、船舶や荷役機器などからの油の流出が一部で課題となっているが、経済成長に伴う輸出入の活発化でこうした問題が拡大する懸念はあるものの、政府の環境対応の強化や関連メーカーによる流出対策の促進も後押しする形で、市場は拡大を続けるとみられる。

世界各国で厳しい環境政策を発出する動きが広がると予想される今後、流出による環境汚染を減らす緊急流出対応の市場規模は、急速に成長を遂げるとした。環境への流出の影響に対する意識の高まりや研究開発の活発化は、緊急流出対応市場の成長を後押しする。経済成長が見込める新興国が、新技術を開発して提供を始めることで、緊急流出対応市場の新たな成長機会をさらに創出すると予想する。

一方で、海上での大規模な流出の発生が減少し、政府による企業に対する厳格なコンプライアンスと規制により、市場の成長が抑制される可能性もあるとしており、環境政策の強化で流出問題の頻度が下がることにより、こうした緊急流出対応市場の縮小も考えられるという。