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アジャイルコスメ、物流パートナーにオープンロジ

2021年9月9日 (木)

EClaboratory(ラボラトリー、東京都新宿区)は、同社が運営するD2Cスキンケアブランド「AGILE COSMETICS PROJECT」(アジャイルコスメティクスプロジェクト)の物流パートナとして、物流プラットフォームを運営するオープンロジ(豊島区)を選定した。

ラボラトリーがオープンロジを物流パートナーに選んだのは「すでにブランドで構築されたECサイトと連携できる物流システムと、取扱量やアイテムの拡充に柔軟に対応できる新たなシステムの構築」の2つのポイントを評価したため。

出所:ラボラトリー

ブランド誕生から3年を迎えたというアジャイルコスメティクスプロジェクトは「今後のブランド展開を見据えた際によりよいブランド・製品体験を得るための重要起点として、物流サービスのさらなる向上と効率性にチャレンジする」方針で、すでにブランドで構築されたECサイトと連携できる物流システムと、取扱量やアイテムの拡充に柔軟に対応できるシステムの構築が選定のポイントだった。

これに対し、オープンロジは「提携倉庫とのネットワークにより、荷量増、取り扱いアイテムの拡大に対して柔軟で迅速に物流体制の構築」「社内エンジニアによる、WWS(倉庫管理システム)とユーザーポータルの独自開発・構築技術をベースに、自社構築のECサイトとの連携を目的としたシステムの開発と構築」が可能な自社サービスを武器に、リアルタイム在庫管理、システムによる国内、越境ECの物流の一元管理までカバーできる点もアピールして物流パートナーのポジションを射止めた。

アジャイルコスメティクスプロジェクトの内保友子ブランドディレクターは「デジタルを駆使しシステム化されつつも、精密かつ柔軟に対応できる豊富な経験値があり、今後さらに事業を拡大していく上で新たな物流体制を構築できることも含めとても心強いパートナーだと感じている。顧客の製品体験の起点となる物流はとても重要なことから、新たな体験を配達できるように協業できれば」と、オープンロジへの期待を語った。

オープンロジのビジネスモデル、協業先拡大し「満開」近づく

EC需要の拡大を背景に、オープンロジの事業拡大が加速している。

EC事業者が物流業務を外注する際に利用しやすくハードルを引き下げる「固定費ゼロ・従量課金」をセールスポイントとしてきたが、大手3PLに比べ、事業が拡大した荷主にとっては物流のボリューム増大によるスケールメリットを享受しにくい面を課題視する向きもあった。

しかし、8月末時点で同社サービスを導入する事業者(荷主)は9500社と大台の1万社を目前に控える規模まで拡大。小規模なEC事業者を荷主とする従来の強みを維持したまま、六本木の寿司の名店と特色あるサービスを展開したり、セイノーグループと連携して幹線輸送網を強化したりと、総合的な物流プレーヤーとして台頭してきた観がある。

また、ウェブアプリケーションの改善の積み重ねによって荷主と同社、同社と倉庫事業者をそれぞれつなぐ仕組みがより機能しやすい事業環境へとステップアップしたことで、協業先の倉庫を広げてボリュームの大きな物流を抱える荷主のニーズに対応できるようになったといえる。

EC事業者が抱える物流課題は、温度帯や取り扱う商品ごとの規制への対応など幅広く、一般的な物流企業が単独で対応するのは難しい。それぞれに強みを持つ物流事業者との協業を拡大し、ITを駆使してその架け橋となることで幅広い荷主に対応する同社のビジネスモデルが満開に近づいてきたようにみえる。(赤澤裕介)