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プラスオートメーション、24時間ヘルプデスク開設

2021年9月9日 (木)

メンテナンス中のt-Sort(出所:プラスオートメーション)

サービス・商品プラスオートメーション(東京都港区)は9日、ソーティングロボット「t-Sort」(tソート)の導入後のメンテナンスとサポートを強化するため、24時間365日受付のヘルプデスクを新設すると発表した。リモートと現場の両方から、保守・支援体制の強化を図る。

プラスオートメーションはロボットサービスを月額定額制のサブスクリプション型で提供。初期費用は無料で、月額料金には導入前のコンサルティング、システムインテグレーションを含む導入、ハードとソフトのレンタルやメンテナンス、導入後の改善、契約満了時の撤去までの全てを含む。サブスクリプション型のサービスに加えて、ロボットの販売も行う。

プラスオートメーションは、三井物産と日本GLPが出資し、2019年6月に設立。2020年9月には豊田自動織機への第三者割当増資も実施し、物流施設などへのロボット導入台数は、累計で1000台を超える。

急速に広がる物流DX化、現場の「使いやすさ」を忘れるな

プラスオートメーションがソーティングロボットのヘルプデスクを新設するのは、導入後のメンテナンスやサポートにこそ、サービスの差別化を図る余地があると判断したからだ。

物流現場の業務効率化を促すロボットの開発が加速するなかで、強みとする機能が多岐にわたり、圧倒的な差別化が難しくなっていた。以前、取材先の物流現場の担当者は、ロボットを導入すにあたって留意する点について、初期費用と導入後の保守体制を挙げていた。まさにロボット導入後のサポート体制は、製品力を高める「強み」になり得るポイントだったのだ。

とりわけ、24時間365日体制で稼働する物流現場で、重要な役割を果たすロボットが故障して業務に支障が出るようでは、何のために先進機器を高額で導入したのか分からなくなる。機能が精巧になればなるほど、機器修理の素人である現場作業員では手も足も出ない。サポートデスクの役割は、もはやロボットの修理にとどまらず、その先の「サプライチェーン維持」だと言えば、さすがに大げさすぎるだろうか。決してそんなことはないはずだ。

ロボットをはじめとする物流DX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれて久しい。しかし、DX化で忘れてはならないのは、その恩恵を受けるべき現場にとって、いかに「使いやすい」システムであるかどうか。そこが必ずしも「デジタル」である必要はない。それをプラスオートメーションの取り組みは示している。(編集部・清水直樹)