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IMO、船舶燃料排出ガス量の評価手法を審議

2021年9月24日 (金)

環境・CSR国土交通省は22日、国際海運分野の気候変動対策を担う国際海事機関(IMO)が、第9回温室効果ガス作業部会において、船舶燃料から排出される温室効果ガスの量をライフサイクル全体で評価する手法を定めるガイドライン案を審議したと発表した。

審議の結果、日本がオーストラリアやノルウェーなどと共同で提案した、陸上における燃料の生産から供給までの排出量と、船上での燃料燃焼時の排出量の二重計上を防止するという考え方を基本に、ガイドラインの早期策定に向けて引き続き議論を進めることとした。

IMOは、2018年に「温室効果ガス削減戦略」を採択し、国際海運からの排出削減に向けた今後の目標を定めるとともに、目標を達成するための削減対策案を掲げる。削減戦略では、対策案の一つとして、低・脱炭素燃料の効果的な利用を促すため燃料のライフサイクル全体での排出量を評価するガイドライン策定を挙げている。今回開催された作業部会において、ガイドラインの策定に向けた議論が開始された。

日本は、オーストラリアとノルウェー、国際海運会議所(ICS)とともにコンセプトのガイドライン案を提示。ライフサイクル全体での排出量を「陸上での排出量」と「船上での排出量」に分けて考えること、陸上と船上での排出量の二重計上を行わず、陸上での燃料生産時等にCO2が吸収・回収されるバイオ燃料やカーボンリサイクルメタン等のカーボンニュートラル燃料については「船上での排出量」をゼロとして扱うこと、の2点を示した。

日本などの提案について、多くの国・団体から支持する意見が述べられる一方、具体的な計上方法について欧州などから慎重な意見も出された。審議の結果、日本などのガイドライン案をベースに、22年開催予定のIMO第79回海洋環境保護委員会でのガイドラインの承認を目指し、陸上と船上での排出量の評価方法の詳細について、引き続き議論を進めることとなった。