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日本郵船など、アンモニア燃料エンジン船開発へ

2021年10月27日 (水)

ロジスティクス日本郵船とジャパンエンジンコーポレーション、IHI原動機(東京都千代田区)、日本シップヤード(同)の4社は26日、グリーンイノベーション基金事業の一環である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業の採択を受け、日本海事協会を合わせた5者で、「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」をことし12月に開始すると発表した。

アンモニアを燃料とすることによって、航海中の温室効果ガス排出量を大幅に削減することが可能となり、2030年よりも早い段階で社会実装を目指すとともに、将来的には船のゼロエミッション化実現を目標に取り組みを進める。

他国に先駆けた国際競争力のあるアンモニア燃料船の開発実現と、日本が主導するアンモニア燃料船にかかる安全ガイドラインや法規制の整備に貢献することを目標とする。国内の船舶用エンジンメーカーや造船所、船級協会、海運会社が一体となり、研究開発段階からエンジン開発、本船建造、商業化まで一貫して連携する。

海運分野では、温室効果ガスの排出削減が喫緊の課題となっており、船舶用燃料の重油からLNG(液化天然ガス)への転換、水素やアンモニアといった次世代のゼロエミッション燃料普及に向けて研究開発が加速している。アンモニアは燃焼してもCO2を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されており、原料となる水素に「CO2フリー水素」を活用することで燃料のライフサイクルまで考慮したゼロエミッション化の実現が可能とされる。

このような背景から、経済産業省は50年までのカーボンニュートラルに向けてグリーンイノベーション基金事業を開始。その一環であるNEDO助成事業にアンモニアを活用したエンジン搭載船舶の開発について応募し。今回採択された、アンモニア燃料タグボートの開発・運航とアンモニア燃料アンモニア輸送船の開発・運航について、それぞれNEDOの助成を受けて実証事業を実施する。スケジュールはことし12月から2028年3月31日までの予定だ。