宅配荷物の5-10%がメルカリ、規模活用へ物流新会社

ECメルカリは10月28日、物流サービスの企画・開発・運営会社「メルロジ」を設立し、新規事業を開始すると発表した。

メルカリの流通取引総額拡大に伴い、国内の年間宅配便で宅配事業者が取り扱う荷物の個数は50億個に達しているが、このうち5％から10％をメルカリの荷物が占めるほか、コンビニ発送では80％がメルカリの出品物の発送になるなど、国内物流にメルカリが占める割合は拡大の一途をたどっている。

郵便局やコンビニエンスストアでは発送・集荷時のオペレーションによる負荷が高まっており、同社は2020年から対面の接客なしに商品の発送ができる「メルカリポスト」を全国1000か所に設置するなど、パートナー企業と連携しながらオフラインのタッチポイントの拡充や発送・集荷の効率化施策に取り組んできた。

新設したメルロジでは、メルカリの膨大な発送取扱量、全国1000か所のメルカリポスト、メルカリを体験しながら学べるリアル店舗「メルカリステーション」（全国11か所）といった「自社のタッチポイント」を基盤に効率的な集荷物流網を構築し、梱包レス発送などの提供を検討する。

自社ではトラックや倉庫を保有せず、パートナー企業との連携によって物流運営に当たる。集荷物流網では、繰り返しリユースすることを前提とした梱包発送資材の導入を検討（実証実験中）するなど、配送過程で発生する環境負荷への対応にも取り組む。全国1000か所で展開しているメルカリポストは2024年までに全国8000か所に拡大する。22年春のクリーニング、リペアの導入も進める。

▲メルロジによる効率的な集荷物流網のイメージ（出所：メルカリ）

このほか、グループ会社のソウゾウが展開するECプラットフォーム「メルカリショップス」の出店者向けに、出品・梱包・発送代行を担うサービスを提供し、メルカリグループのほかの事業との相乗効果創出を目指す。

メルロジの集荷物流網はグループ外にも開放し、メルカリポストを活用した他社ECの商品返品などの発送対応、メルカリグループ以外のサービスを使ったネットショップ出店者にも保管・発送サービスを提供する。

■メルロジの概要
会社名：メルロジ/Merlogi
所在地：東京都港区六本木6-10-1
設立日：2021年10月28日
資本金：1億5000万円（メルカリ100％子会社）
事業内容：物流サービスの企画・開発・運営
代表者：野辺一也氏（代表取締役CEO）、進藤智之氏（代表取締役COO）
メルロジウェブサイト：https://about.merlogi.com/