環境・CSR近鉄エクスプレスは20日、気候変動の影響を考慮した経営・財務計画を検討する「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言に賛同したことを表明したと発表した。
TCFDは、各国の金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)が2015年に設立。2017年に企業に気候変動リスクの開示を求める提言を発出し、21年10月15日現在で世界全体で2400、国内で523の企業・団体が賛同している。
22年4月からは一部の上場企業で、TCFDの提言に基づく気候変動リスクの情報開示が事実上、義務付けられるようになる。近鉄エクスプレスによるTCFDへの賛同も、こうした動きに基づくものだ。
近鉄エクスプレスは20年11月、「『経営理念』『KWEグループ企業指針』に基づき、よりよい未来のため、誠実に事業活動を推進し、サステナブルな社会の実現を目指します」とするグループサステナビリティ基本方針を制定。サステナビリティの視点を経営に取り込み、環境・社会課題の解決と事業との融合を促進するための推進委員会を設置し、サステナビリティの施策に関するPDCA(計画・実行・評価・改善)をモニタリング・評価するなど、活動の実効性を高めてきた。
ことし5月にはグループの重要課題発表にて、気候変動に関連するものとしてEmissions(エミッションズ、気候変動対応としてのCO2排出削減)とEnergy(エネルギー、クリーンエネルギーの利用促進)の2つを掲げた。
近鉄エクスプレスは「現在、CO2排出量の削減目標・削減案の策定に向けてグループ全体を対象とした基礎データの収集を進めている。今後はTCFDの提言に基づき、気候変動が事業にもたらすリスクと機会を分析し、財務面への影響をわかりやすくステークホルダーに情報開示するべく進めていく」としている。