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自動配車と連携した廃棄物処理システムで効率化へ

2022年1月19日 (水)

環境・CSR廃棄物処理業者向け基幹システム開発のJEMS(ジェムス、茨城県つくば市)は19日、AI(人工知能)ソフトウェア開発のライナロジクス(千葉県市川市)とシステム連携に向けた開発を開始したと発表した。22年中に連携を実施する予定だ。

JEMSの資源循環・リサイクル業界特化型基幹システム「環境将軍R」と、ライナロジクスの完全AI自動配車システム「LYNA(ライナ) 自動配車クラウド」との連携を進める。JEMSが持つ資源循環・リサイクル業界の多様な業務を一元管理する仕組みと、ライナロジクスが持つロジスティクスに特化したAI技術を掛け合わせることで、さらなる地球温暖化対策の推進や生産性向上につなげる。

システム連携の第一歩として、JEMSの環境将軍Rと、ライナロジクスのLYNA自動配車クラウドとのAPI連携を推進。環境将軍Rは、廃棄物の収集・運搬、マニフェスト管理やその後の入出や出金管理といった多様な業務の全てのデータを一元管理・共有することで、業務のムダの大幅削減や一元管理による効率化を実現。完全AI自動配車システムであるLYNA自動配車クラウドは、オーダーを入力するだけでAIが必要な車両台数を素早く見積もり、それぞれの巡回ルートを自動で作成することで、配車業務を効率化するとともに配車計画も最適化する。

▲API連携イメージ(出所:JEMS)

両方のサービスのAPI連携により、環境将軍Rの従来の機能である廃棄物管理業務に関わる多様なデータを一元管理できることに加え、新たに配車計画の自動作成を行えるようになる。属人的業務になりやすい配車業務の担当者の業務負荷を大幅に軽減させるほか、配車計画も最適化させることで、廃棄物の収集・運搬業務の効率化・生産性向上や車両の温室効果ガス排出量削減につなげる。

システム連携の推進で新たな「物流DX像」の創出を

先進的な配車システムが、廃棄物処理ビジネスにも恩恵をもたらそうとしている。いわゆる荷物の搬送を想定して開発が加速している配車システムだが、今後は用途を水平方向に展開していく動きも進んでいくのだろう。

JEMSの手がける、資源循環・リサイクル業界特化型基幹システム「環境将軍R」は、廃棄物の収集や運搬だけでなく管理業務も含めた一元管理による効率化を支援。そこに、ライナロジクスが持つロジスティクスに特化したAI技術を連携させることで、新たなDX(デジタルトランスフォーメーション)化の要素が加わり、さらに付加価値の高い業務展開が可能になった点に、今回の連携の意義がある。

物流DX化が業務効率の向上策として注目されるようになって久しい。デジタル施策のメリットは、相互のシステム間の連携が比較的容易であること。その強みをフルに活かして、さらなるベストマッチングが広がることを期待したい。それも物流DX化の新たな側面だ。(編集部・清水直樹)