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「安全」達成へ従業員が競い合うダイワコーポレーション

フォーク事故ゼロ、その秘けつは「地道」への評価

2022年2月18日 (金)

環境・CSRフォークリフトによる災害が後をたたない。厚生労働省労働基準局のデータによると、休業4日間以上の死傷災害が2021年(22年1月速報値)で1884件で、12年からの9年間で1万9779件(年間平均2197件)発生。フォークリフトを扱う事業所に安全対策の徹底を呼びかけているにもかかわらず、依然として高止まり傾向が続いている。

そんななか、地道な安全対策に取り組み、成果を上げている物流企業がある。

(提供:ダイワコーポレーション)

ダイワコーポレーション(東京都品川区)は昨年9月から11月の3か月間にかけて、社内の物流サービスの品質向上と従業員の安全意識向上を目的とする「第3回安全強化運動」を実施。このほど、「フォークリフト事故ゼロ」の目標を達成した5営業所を表彰した。

同社によると、安全強化運動は2019年から始まった社内企画で、物流サービスの品質向上と従業員の安全に対する意識統一・向上を目的に、3か月の期間内で目標達成を目指している。

3回目となった今回のテーマは「フォークリフト事故ゼロ」。第1回目は「商品破損」、第2回目は「フォークリフト運転ルール違反による事故」と限定的なテーマだったが、安全強化運動の継続的な実施や基本ルールの徹底により、安全への意識が高まっていることから、難易度を上げた。

一方で、時間内の業務遂行を意識するあまり、焦りによる操作ミスなどの事故がいまだ発生していることから、今回のテーマ実施にいたった。

10月から12月の第3四半期は繁忙期のため、特に事故が発生しやすいといい、あえて今回の安全強化運動の実施期間に含めることで、従業員の意識改革を求める狙いがあった。

期間中は、全国の9営業所内で決定した安全強化運動リーダーの社員が声かけや見回り、勉強会を実施することで、平和島と東京城南、川崎第2、ロジポート川崎、横浜金沢の計5営業所で目標を達成。

実際、20年度(4〜12月までの累計)は19年度(同)に対して15.7%減、21年度は17.7%減と、安全強化運動の結果が着実に出ている。

だが、全営業所での目標達成はできていないのは事実で、新入社員の入社や、繁忙期などの時期によって異なり、雇用期間もばらばらな派遣社員への教育や周知が難しいといった課題も抱えている。

同社はそうした課題の改善や、従業員全員のさらなる安全に対する意識改革、業務効率化など職場改善が急務だとしている。

同社は「『お客様の願いを共にする物流CREATOR』であり続けるために、安全に対する意識を高めるとともに、快適な職場環境を形成し、物流サービスや業務品質の向上を図っていく」とコメントしている。

■事故防止特集‐物流施設編‐