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日本GLP、データセンター事業に本格参入へ

2022年2月18日 (金)

拠点・施設日本GLP(東京都港区)は18日、データセンター(DC)事業に本格参入すると発表した。同社はDC事業を物流不動産事業と並ぶ事業の新たな柱とするため、用地と必要電力の追加確保を含め、今後1兆円以上の投資を予定。2027年ごろをめどに、電力キャパシティ900メガワットの供給能力の確保を目指す。

(出所:日本GLP)

同社は、首都圏と近畿圏で、すでに合計600メガワットの供給電力を確保した複数のDC拠点適地を取得。2023年より順次着工し、24年以降に順次完成させる計画だ。

DCの整備をめぐっては、近年のクラウドサービスの急激な浸透により、世界的レベルでの拡大ペースが加速。IoTやAI(人工知能)の活用の広がりを受けて急速に増大するアプリケーションやデータ流通量、蓄積量により、国内のDC市場は年率16%を超える成長が予測されている。

このような背景から、DCを必要とするサーバー数は増加傾向にあり、サーバーの収容キャパシティを指す電力キャパシティがこれからのDCの重要な評価基準になると見込まれている。しかし、日本ではDCの適地および必要電力のタイムリーな確保が難しく、DCを必要とする企業にとって事業拡大スピードに合わせたDCの整備が最大の課題となっている。

そうした環境を踏まえて、同社はDC事業を計画。物流施設開発で培った全国規模での土地のソーシング力とグローバルビジネスネットワーク、BCP(事業継続計画)対応における高い専門性と実績を踏まえて、DC事業経験者で構成された専門チームを創設するとともに、自然災害リスクが低く都市中心部から35キロ圏内で、キャンパス型DC用地を含む複数の土地の取得を進めてきた。

また、DCを利用する企業の戦略的なインフラ集積と分散を実現するだけでなく、専門的なノウハウを要する設計や開発、運用に関するニーズに対応できる体制を整えた。

同社は、拡張性のある都市圏キャンパス型DCを、DC事業戦略の中核と位置付ける。DCを利用する企業はその都度、土地と電力を探す必要がなくなるメリットがある。キャンパス内でDCのライフサイクルマネジメントも行うことで、将来のDCの老朽化課題も併せて解決する。DCを必要とする企業は、自社のコア事業に専念することで、事業の効率化を図れる。

帖佐義之社長は、今回の事業について「長年培ってきた物流施設の開発・運営事業における創意と実績を活かし、大きなシナジー効果が期待される成長分野だ。複数エリアで複数拠点のDCプロジェクトを一気に推進し、急増するDCへの需要に対応していく。豊富な経験を待つ専門チームを中心にDC事業を着実に拡大し、デジタライゼーション社会の重要なインフラの整備に貢献していく」と抱負を語る。