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商船三井、ブルーカーボンによるオフセットに参画

2022年3月22日 (火)

▲証書交付式(出所:商船三井)

環境・CSR商船三井は18日、国土交通省の認可法人ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が発行する「ブルーカーボン」を活用したクレジット「Jブルークレジット」のカーボンオフセットに参画すると発表した。

ブルーカーボンは、マングローブ、海草藻場、塩性湿地といった海洋生態系によって隔離・貯留された二酸化炭素由来の炭素のこと。2009年10月に国連環境計画の報告書においてはじめて定義され、陸域の森林等により吸収される二酸化炭素由来の炭素「グリーンカーボン」とならんで、自然ベースのネガティブ・エミッション(大気中の二酸化炭素の除去・貯留)として注目されている。

Jブルークレジットは、海草藻場などの海洋・沿岸生態系が吸収した二酸化炭素であるブルーカーボンを対象とし、気候変動緩和へ向けた取り組みを加速するための新たなクレジットとして注目される。2020年度に試行が開始され、2回目となる21年度は、横浜市と山口県周南市の徳山下松港、兵庫運河における藻場や干潟の再生活動を通じてクレジットが発行され、販売者と購入者に対する証書交付式が18日に開催された。

商船三井は計65トンの発行クレジット量のうち11トンのクレジットの購入を通じて、各地域における藻場づくり活動の取り組みの活性化・持続可能性の向上に貢献する。

商船三井が購入したクレジットは、グループの旭タンカー(東京都千代田区)が新造し、ことし3月末に完成予定の世界初のゼロエミッション電気推進タンカー「あさひ」が、造船所のある香川県丸亀市から給電設備がある川崎市まで回航する際に排出する二酸化炭素とオフセット(相殺)する。

今後、同船は再生可能エネルギー由来の電力を動力源とすることで、従来型の船と比べて年間280トン、60%の二酸化炭素削減に寄与する想定。旭タンカーと協力して内航海運における電気推進船(EV船)の普及に努めていく。