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菓子物流のパレット標準化へガイドライン作成

2022年5月20日 (金)

(イメージ)

ロジスティクス菓子メーカーや物流企業などでつくる「菓子標準パレット化促進協議会」は20日、「菓子物流におけるパレット標準化ガイドライン」を作成した。深刻化する物流の労働力不足に対応する効率化策として、菓子業界で遅れているパレット輸送の普及を急ぐ。

協議会は、標準パレット化促進を目的に設立され、スナック菓子や米菓などのメーカー8社、卸売業3社、物流業5社、レンタルパレット業3社の計19社が加盟、国土交通省など3省と日清食品ホールディングスがオブザーバー参加する。

共同代表を物流業のトランコム(名古屋市東区)と丸紅ロジスティクス(東京都千代田区)が務め、国交省から2021年度モーダルシフト等推進事業補助対象事業者の認定を受け、パレット標準化を検討してきた。

ガイドライン発行は、共同代表2社が発表した。目標として「メーカーから卸・小売業までの一貫したパレット輸送」「複数メーカーの共同輸配送」「パレットの共同回収・共同利用」を掲げ、パレット標準化を段階的に進める、としている。具体的な標準としてパレットの平面サイズ、荷姿の高さ基準、材質・仕様を示した。

(出所:トランコム)

平面サイズは11型(1100×1100ミリ)を推奨サイズとし、12型(1200×1000ミリ)の取り扱いは継続して検討するとした。荷姿の高さは1段1300ミリ以下(パレット高さを含む)と設定した。材質はプラスチック製を推奨した。

また、厚み・重量については、結論を急がず検討事項とした。このほか、共同回収・共同利用の仕組み、レンタルパレットの利用条件、ドライバーの待機時間の削減、製品の外装サイズの標準化などを今後の検討課題とした。

2024年4月以降に自動車運転業務の時間外労働が厳しく制限されることによる「物流の2024年問題」や、ドライバーの高齢化などにより、物流の担い手不足は深刻化し、業務効率化が喫緊の課題となっている。あらゆる製品輸送でバラ積み輸送からパレット輸送への転換に迫られており、国土交通省を中心に官民によるパレット標準化の検討作業も進められている。

今回のガイドラインはこれらに歩調を合わせた動きだ。菓子物流ではばら積み輸送がいまだに常態化しており、製品の積み下ろし作業によるドライバーの荷役工数の増加や待機の長時間化などが問題視されていた。