荷主豊田自動織機と名古屋工業大学は5月31日、倉庫や工場のスマート化(高度情報化)のための要素技術の共同研究を始めたと発表した。大学内に設置した研究所に互いの強みを持ち寄り、倉庫・工場をよりコンパクトでフレキシブル、高効率な姿へと進化させる。
両者は、深刻化する労働力不足や多様化する顧客ニーズに対応するため、倉庫や工場のスマート化が必要であるとの認識で一致。同社の工場マネジメント力やものづくりの知見と、同大学のデータ分析技術や通信技術を合わせ、スマート化に必要な要素技術の先行開発を行うことにした。
具体的には、つながる工場・倉庫の実現▽レイアウトフリーの工場・倉庫の実現▽カーボンニュートラル――の3つをテーマにする。建物内のすみずみまでデータを送受信できる通信技術や、設備の設置場所を制約しない給電技術、工場・倉庫の消費電力を最小化・最適化するエネルギーマネジメント技術などの開発に取り組み、同社の大府工場(愛知県大府市)で実証実験を行う。
研究に先立ち、大学内に「豊田自動織機スマートインダストリー研究所」をことし4月に開設している。同大学の江龍修副学長が所長を、豊田自動織機の森昌吾主査(同大学特任教授)が副所長を務める。研究期間は2025年3月31日までの予定だ。