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「第3回関西物流展」注目ポイントはここだ/第3回

2022年6月15日 (水)

イベントLOGISTICS TODAYが「第3回関西物流展」の見どころを製品・技術・サービスごとに解説する開幕直前企画。第3回は「産業・運搬車両/関連機器・ソフトウェア」「梱包・包装」の2テーマに迫る。

第1回「搬送/仕分け/ピッキング」「パレット・コンテナ/保管機器」
第2回「保管・輸送・3PL」「AI/倉庫管理/AI・IoT/情報システム」
第4回「物流施設・不動産/建設/誘致」「防犯・防災/リスク対策/BCP推進」
第5回「物流業務支援サービス」「第1回マテハン・物流機器開発展」

テーマ5「産業・運搬車両/関連機器・ソフトウェア」

物流業界で「車両」と言えば、最初に頭に浮かぶのはトラックだろう。しかし、発送者から配達先までの長い旅路のなかで、荷物を運んでいるのは決してトラックだけではない。

荷物の仕分けや検品などを担う物流倉庫では、トラックから降ろされた荷物を搬送するフォークリフトをはじめとする搬送車両が活躍している。配送先が店舗であれば、そこでも同様の搬送プロセスが存在する。

さらに、最寄りの配送センターから最終配送先への「ラストワンマイル輸送」では、小型トラックやバンに加えて、三輪車など小回りの利く車両が登場。EC(電子商取引)サービスの普及や新型コロナウイルス感染拡大に伴う宅配需要の高まりを背景に、ラストワンマイル輸送の重要性が改めて注目されるなかで、こうした新しい概念のモビリティーは、「新しい生活様式」の時代にふさわしい輸送イメージを先取りしているようにも感じられる。

こうした状況下で開催される関西物流展。このカテゴリーの出店ブースは、様々な姿の車両が勢ぞろいして来場者の目を楽しませることだろう。キーワードは「小回り」「労働力不足の解消」「環境」といったところだろうか。EV(電気自動車)の普及余地が大きい領域であることも考慮すれば、将来の物流の「あるべき姿」を最も色濃く提示しているのではないだろうか。

物流におけるモビリティについて語るうえで、欠かせないテーマが「安全」だ。安全が何よりも優先されるのは、何も道路上だけではない。倉庫内でも物流拠点や店舗の敷地内であっても、その前提は変わらない。

関西物流店の出展ブースでは、こうした車両をめぐる安全対策に特化した新商材を披露する企業もある。車両を操る作業者だけでなく、その周囲で働く従業員の安全確保も、物流現場を運営面で支援する重要な要素となるからだ。

依然として物流倉庫内での事故がなくならない実情を踏まえて、こうした安全対策への投資の大切さを再認識できる機会。それも、関西物流展が担う役割の一つなのだ。

テーマ6「梱包・包装」

実に多様な種類の荷物を国内外の各地に運んでいる物流サービス。消費スタイルの多様化は物流業界にこれまでにない変革を迫っているが、あらゆる種類の荷物への対応はその最たるものであろう。

大きなものから小さなものまで、重いものから軽いものまで、硬いものから柔らかいものまで、運べない荷物はないと言われる近年の輸送サービス。宅配サービスが当たり前になった時代に当然の動きだと言ってしまえばそれまでだが、それを可能にしているのは、輸送車両のスペックや高度に自動化された倉庫運営だけで実現するものではない。

(イメージ)

荷物として運べる「形」になっていること、つまり梱包・包装がしっかりとできて初めて、サプライチェーンは成立するのだ。その事実を改めて認識させられた要因の一つが、ECサービスの急速な普及であるのは間違いないだろう。

物流倉庫における梱包や包装のプロセスは、実はなかなか人手のかかる仕事だ。「同じ荷物は二つとない」とさえ言われる昨今の荷姿の多様化が、それに拍車をかけている。自動化も一定程度は進んでいるものの、こうした荷物の多種類化の進行には追いついていないのが実情のようだ。

関西物流展では、こうした梱包・包装の効率化・最適化を支援する機器を訴求する企業が出展を予定する。梱包や包装作業の負担軽減や対応できる荷物の種類や質、さらには従事者を怪我から守る機能を前面に出したものまで、幅広い商材が集まる。実に奥深い領域であることが実感できるだろう。

各社が訴求するのは、こうした梱包・包装機能だけではない。「紙が物流コストと環境問題を変えていく」をスローガンに、軽くて環境負荷の小さい素材を活用した梱包・包装資材を提案する企業も参加する。

環境は物流のあらゆる過程で対応を迫られる究極のキーワードであるが、梱包や包装は荷物の輸送に欠かせないツールであることを考えれば、導入企業に企業価値のさらなる向上をもたらす効果も含めた、実効的な訴求ポイントとして注目を集めるカテゴリーであるとも言えそうだ。

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