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輸出入貨物の荷印をAI照合、シナモン開発

2022年7月11日 (月)

(イメージ)

ロジスティクス人工知能(AI)開発企業のシナモン(東京都港区)は11日、輸出入する貨物の外装に付ける「ケースマーク」(荷印)と、貨物情報データベースにあるケースマーク情報をAIで自動照合するシステムを、物流企業などに向けて発売したと発表した。人的ミスが防げ、業務負荷が軽減されるなど、物流業界が抱える往年の課題が解決できるという。輸出入業務への一つの物流DX(デジタルトランスフォーメーション)導入となる。

発表によると、このシステムはFlax Scanner for Case Mark(フラックス・スキャナー・フォー・ケースマーク」と言い、10日に発売した。「シッピングマーク」とも呼ばれる貨物のケースマークをタブレットのカメラで読み取ることで、データベースの情報から該当する貨物情報をAIが見つけ出し、タブレットに候補表示する。その場で作業指示確認やカーゴラベルの印刷、貼り付けもできる。

現在、多くの輸出入業務ではケースマークとデータベースのケースマーク情報を目視で照合・確認している。ケースマークを読み間違えると、ラベルの誤貼付(クロスラベル)による配送間違いという致命的なミスとなりえる。このため多くの企業では、復数のスタッフで確認をするのが通常だ。この照合作業には長年の経験が必要とされ、業務に精通した熟練者が行っているが、若い世代にどうノウハウの継承するか、新たな人材をどう確保するかが物流業界の大きな課題となっている。

新システムはこうした課題の解決を目的として開発された。誰でも簡単に操作可能なので、経験やノウハウを持っている熟練者に頼らず、まだ経験が浅い業務員でも高い精度で業務を実施できる。入庫前の貨物情報の印刷やカーゴラベル印刷も不要になり、照合作業の時間が大幅に短縮される。

同社は「テクノロジーの力で社会課題を解決する」ことを目指しており、新システムが物流業界などで懸念されている人材不足問題と熟練者のノウハウ継承問題の解決につながると強調している。