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ロボットが宅配経路を自分で判断、NTTが実験

2022年10月4日 (火)

ロジスティクスNTTグループは3日、一つのビルの内部で飲食店からオフィスまでロボットが飲食品を無人配達する実証実験を、名古屋市で始めたと発表した。クラウドシステムとつながるロボットが最適の配達コースを自分で判断するのが大きな特徴だ。

発表によると、実験は持株会社の日本電信電話やグループのNTTアーバンソリューションズ(東京都千代田区)など計4社が共同で、10月3日からアーバンネット名古屋ネクスタビル(名古屋市東区)で行う。

ロボット開発会社のZMP(東京都文京区)の宅配ロボット「DeliRo」(デリロ)を使い、スマートフォンのアプリで発信した注文をクラウドシステムで受け付け、ビル内にある飲食店で飲食品をロボットに載せ、自律走行でエレベーターや廊下を通ってオフィス階の注文者のところに届ける。その際、クラウドシステムは、ビル内の各センサーから店舗の混雑状況やロボットの位置、エレベーターの利用状況などさまざまな情報を集め、分析してロボットに伝え、ロボットが最適なルートを選んで配送する。複数の注文に対して複数のロボットで最短の配送を行うことを目指す。


▲ZMPの宅配ロボット「Delilo」(出所:NTTグループ)

実験には、NTTが得意とする高速・大容量の5G通信技術を活用する。また、注文から決済までをスマートフォンのアプリで完結できる点も特徴だ。11月末で一区切りとし、対象店舗や利用者を広げて2023年1月以降に再開する予定という。

NTTアーバンソリューションズは労働力不足という課題解決のため、これまで、ビル内でロボットによる警備や清掃を行ってきた。今回のフードデリバリーの実証実験を足掛かりに、今後は屋外も含めた街区内での配送や、用途の異なるロボットの管制なども検討する考えだ。