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三菱重工、神戸造船所に排ガス対策エンジンの試験設備

2010年10月15日 (金)

産業・一般三菱重工業は15日、船舶の排出ガス規制強化に対応して、神戸造船所(神戸市兵庫区)内に、舶用低速2サイクルディーゼルエンジンの試験設備を設置すると発表した。試験機はシリンダー径60センチメートル、4気筒の電子制御式で、2012年春の完成を目指す。16年以降の新造船舶搭載エンジンについて、NOx(窒素酸化物)排出量の80%削減を義務付ける国際海事機関(IMO)の第3次規制をクリアするため、要素技術の検証に活用する目的。

 

試験機(4UE-X3)は、同社の舶用低速ディーゼルエンジン「三菱UE機関」のUEC60LSE-Ecoをベースに製作する。同社は既にIMOの3次NOx規制に向けて、選択触媒還元を用いた脱硝システムの検証に着手しているが、試験機では、排気ガス再循環、層状水噴射などの要素技術を検証していく。同社が保有する幅広い舶用機械製品をパッケージで提案する技術も試験機の運用を通じて検証する計画。

 

同社はこれまで、長崎研究所(長崎市)内に設置した単気筒の試験機を運用してきたが、今後適用される厳しい環境規制に対応するためには、複数気筒を備えた大型試験機の導入が必要と判断。世界の舶用低速ディーゼルエンジン業界をリードする省エネ関連技術の開発を加速し、より高い信頼性で製品化に取り組んでいくことにした。

 

試験機の設置場所には、隣接して電子制御式、機械式ディーゼルエンジンの主要部品を分解整備できるトレーニング設備を設置。試験機そのものを用いたオペレーション・メンテナンスのトレーニングが可能となる。