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飯野海運23年3月期、タンカー事業が貢献し増収増益

2023年5月9日 (火)

財務・人事飯野海運が9日に発表した2023年3月期の連結決算は、売上高が前期比35.8%増の1413億2400万円、営業利益が2.6倍の198億3500万円、経常利益は2.1倍の206億7700万円、当期利益は81.1%増の226億8100万円となった。

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外航海運業は売上高は42.9%増の1179億7700万円、営業利益は5.4倍の154億4000万円だった。大型原油タンカーは、支配船腹を長期契約に継続投入したことで、業績の下支えに貢献した。ケミカルタンカーは、基幹航路の中東域から欧州、アジア向けを始めとする安定的な数量輸送契約に加え、アジア出しのスポット貨物を積極的に取り込んだことで、運航採算が大きく向上した。

大型ガス船は、LPG船、LNG船が、既存の中長期契約を中心に安定収益を確保したことに加え、一部船舶が好市況を享受した。ドライバルク船は、専用船が順調に稼働し、安定収益確保に貢献。また、ポストパナマックス型、ハンディ型を中心とする不定期船でも、契約貨物への投入を中心に効率的な配船と運航に努めたことで、夏場以降の市況下落の影響を一部で受けながらも、通期では予想を上回る運航採算を確保した。

内航・近海海運業は、売上高が10.2%増の105億300万円、営業利益は15.6%増の5億9400万円となった。内航ガス輸送は、プラントの定期修繕などで石油化学ガスの一時的な出荷量減少の影響を受けたが、産業用LPGの底堅いプラント間転送需要で、全体では総じて堅調に推移した。

民生用LPGは、夏場まで新型コロナウイルス感染症の再拡大で外食、観光産業の需要減少の影響を受け低調に推移したが、秋口以降は経済活動の回復と、冬場の需要増加を背景に、輸送需要は回復傾向となった。

近海ガス輸送は、中国のゼロコロナ政策による経済鈍化で、夏場からプロピレンや塩化ビニルモノマーの輸送需要低迷の影響はあったが、LPGの安定した海上輸送需要に加え、新造船の竣工が限定的だったことで、主力とするアジア域では通期で堅調だった。

2024年3月期の連結業績は、売上高が13.0%減の1230億円、営業利益が41%減の117億円、経常利益は46.3%減の111億円、当期利益は55.9%減の100億円を見込んでいる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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