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シーイーシー「LogiPull WES」

自動化機器の円滑な”チームプレー”を実現

2023年6月30日 (金)

話題野球、サッカー、バスケットボール、ラグビー。チームスポーツで勝つにはチームプレーが不可欠だ。チームプレーなしに戦えるほど甘くはない。そして、このチームプレーが大切なのは、物流倉庫の自動化も同じだ。

倉庫では、自動倉庫、自動ラック、AGV(無人搬送車)、AMR(自律走行搬送ロボット)といった物流ロボットの普及が進んでいる。一方で、単独プレーが得意な物流ロボットだが、チームプレーは苦手だ。そのため、物流ロボット同士、WMS(倉庫管理システム)、バース予約管理システム、作業員との連携が”ボトルネック”になるケースが出てきている。

この解決に有用なのが、物流ロボットやシステム、作業員を含めた倉庫内の「動き」を統合的にコントロールできるWES(倉庫運用管理システム)だ。

▲エリア統括事業本部西日本サービス事業部第二サービス部の西山充氏

シーイーシー(東京都渋谷区)は、物流の自動化設備同士がスムーズに連携する「チームプレー」を実現するシステムを得意とする。同社のWES「LogiPull WES」(ロジプルWES)は、機器メーカーや設備を問わず対応が可能。導入先に合わせてカスタマイズも行える。

「WESは有用ですが、WESだけで現場を改善しようとしても限界がある。当社は長年にわたり、製造や品質の現場に寄り添ってきた経験から、設備やシステムとの連携が重要と感じていました。そこで開発したのが設備制御に強みを持つ『LogiPull WES』です」と、シーイーシーのエリア統括事業本部西日本サービス事業部第二サービス部の西山充氏は説明する。

WESが活躍する3つのシーン

「LogiPull WES」が本領を発揮するのはどんな場面なのか。シーイーシーでは3つのシーンを挙げている。

1つ目は、自動倉庫との連携である。例えば、製造ラインから完成した製品を台車に搬入し、その台車をAGVで自動倉庫まで搬送、自動倉庫に収納するケースだ。

仮に人が搬送工程を担うのであれば、「そろそろ製品がたまってきたから搬送しよう」という判断ができる。しかし、AGV単体では無理だ。そこで、WESが製造ラインを監視、製品がたまったタイミングをAGVに指示したり、AGVが自動倉庫前まで到着したことを、自動倉庫側に伝えたりすることで、倉庫内業務の最適化を図るわけである。

▲AGVと自動倉庫の連携イメージ

2つ目は、AGVとエレベーターとの連携になる。上層階に貨物の保管や流通加工・包装などを行うフロアがあり、1階に入出荷バースがあるような複層階型倉庫では、”縦持ち”のためのエレベーターは、とかくボトルネックになりがちだ。上層階の作業員が貨物を階下に送ったつもりでも、1階の作業員がエレベーター内から貨物を取り出さず、エレベーターに貨物が残っているというようなことが起きる。

そこで、AGVとエレベーターをWESで統合制御し、貨物の縦持ちを可能にする。その結果、作業員同士の「あうんの呼吸」に頼るよりも、より円滑な搬送を実現できる。

▲AGVとエレベーターの連携イメージ

最後が、バース予約管理システムとの連携だ。自動倉庫でバース予約管理システムだけ導入しても、「入荷作業の段取りがうまく組めていない」「出荷貨物の準備が遅れる」といったケースでは、トラックの待機時間の削減に十分な効果を発揮できないことがある。ここでWESが活躍する。WESがバース予約管理システムと連動しながら、車両到着順に自動倉庫を制御することで待機時間を削減することができる。

▲LogiPull WESとLogiPull バース管理システムの連携による、出庫指示と車両への通知のイメージ

実は、バース予約管理システムとの連携は、シーイーシーが最も得意とするところだ。同社ではバース予約管理システムの物流効率化ICTソリューション「LogiPullバース管理システム」も提供しており、導入・運用の知見からシステムの長所短所を知り尽くしている。このことが背景にある。

ハードも提案できる高いエンジニアリング力にも自信

シーイーシーは、1968年の創業以来、独立系インテグレーターとして製造業を中心に、幅広い業界で企業の組み込み制御システムの受託開発に携わってきた。その経験から、同社はシステムの組み込みやカスタマイズの技術力の高さを大きな武器とする。この強みはWESにも生かされており、機器やシステムとの連携で、他社にはないエンジニアリング力につながっている。

「シーイーシーは長年、システムのインテグレーションを行ってきたことから、システムだけではなく、センサーなどのハードウェアまで踏み込んだ最適な提案を行うことができることも強みです。例えば、『LogiPull WES』を導入いただいた某製造メーカー様には、品質検査前の製品がストックされるライン上に、センサーを取り付けることを提案しました。センサーの検知で検査対象物があることを判断してAGVへの搬送指示に活用します」と、西山氏は胸を張る。

シーイーシーは8月に開催するオンラインセミナーで、「LogiPull WES」と活用事例について解説する予定だ。事例紹介ではWESが自動倉庫やシステムなどと連携し、どんな「チームプレー」ができるのかを、より詳しく知ることができる。物流倉庫の自動化を本気で考える企業には有益な情報となるはずだ。

「庫内」×「トラック入退」の業務課題を解決
新物流サービス「LogiPull WES」