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上野トランステック、水素エンジンの新型船舶開発

2023年6月30日 (金)

ロジスティクス上野グループの海運会社である上野トランステック(神奈川県横浜市)は6月30日、公益財団法人日本財団の「ゼロエミッション船の実証実験にかかる技術開発助成プログラム」において、水素燃料実証という目標に向け、2026年(予定)の実証実験航行に対応する電気推進船を建造すると発表した。

▲水素燃料エンジン対応電気推進新造船イメージ図(出所:上野トランステック)

全長100メートル超で5000KL型の新造船は、従来船をベースにしつつも新たな船型を開発し、水素燃料対応の国内内航タンカー最大サイズ船型のプロトタイプモデルとして建造し、25年に完成する。

同社によると、ハイブリッド発電システム(発電装置とバッテリーの組み合わせ)を採用し、新規開発される水素燃料エンジンと水素燃料供給システムを、上甲板部分に水素による発電装置として搭載できる新たな船型を開発する。

尚、水素燃料エンジンと水素燃料供給システムは、ヤンマーホールディングスのグループ会社で、エンジンの開発・製造などを手がけるヤンマーパワーテクノロジーが開発を担当する。

コンテナユニットを搭載した場所は、将来水素燃料タンクの設置場所として活用され、開発した船型は今後実装される水素燃料船のベースとなり得る。今回、建造する船舶と同型サイズで水素燃料が実装された場合、従来通り重油を燃料として使用した船舶と比較すると、1隻につき6000トン/年のCO₂排出削減が見込めるという。

今後の展開としては、実証実験航行で得た知見により、今回の新造船船型において水素燃料エンジンを機関室に搭載できる設計・開発を行い、日本海事協会からの設計基本承認(AiP)を取得する。これにより、サプライチェーンや燃料として水素を船に供給するなどの水素インフラが整備され次第、直ちに水素燃料船を建造可能とする状況を作り出し、より迅速な脱炭素化に貢献するという。

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LOGISTICS TODAY編集部
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