荷主商船三井は3日、同社が九州大学海洋システム工学部門、プラスチック製品メーカーの大洋産業(愛知県大府市)と共同で提案した水素生産用の純水製造システム開発事業が、滋賀県の「近未来技術等社会実装推進事業」に採択されたと発表した。
今回の開発において、商船三井は「プロジェクトマネージメント・市場調査・舶用システム設計の知見提供」、九大は「純水製造システムの実証実験設計・高性能フィルターの開発」、大洋産業は「水を通しイオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質を持つ膜を用いた装置の開発」の役割を担う。
さらに、滋賀県の琵琶湖での実証実験も行い、淡水も対象として純水製造システムを設計し、海水との比較を実施することで、水質の違いによる影響を評価し、汎用性のある純水製造技術を確立する。今後は船上だけでなく、陸上の水素製造基地への純水の提供などへに開発技術を転用していくという。
商船三井は水素社会の実現に向けて、洋上風エネルギーを利用して船上で水から水素を作り船の推進力に変えるプロジェクトを進めている。水素生産には飲料水よりも高品質な純水が求められることから、海水から水素を生産する場合は一般的に使用されているフィルターでは頻繁に交換する必要が生じ、船員の作業増大とコスト面での負担が大きいという課題があり、同社はその解決のため今回の開発事業を推進する。
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