NEC、大量商品を瞬時に識別する技術を開発

荷主NECは5日、世界で初めて大量の商品を同時に識別し、種類、位置、個数などを高速・高精度に把握できるセンシング技術を開発したと発表した。

商品を識別するバーコードやICタグを利用せずに、画像内に映ったすべての商品を同時に識別するとともに、数百個の商品の有無や、購買者が手に取った、戻したという情報を1秒ごとに検出するセンシングシステムを実現した。

この技術をコンビニやスーパーなどの流通業界で活用することにより、在庫管理の徹底や精緻な需要予測などDCMの高度化を進めることが可能となり、地域・店舗に応じたきめ細かな店舗運営を支援できる、としている。

現在、店舗運営の商品販売施策の効果を検証するには、主に販売実績だけを用いているため「施策の徹底状況が曖昧」「効果の信頼性が低い」といった課題がある。また、小売市場は新興国を中心に拡大しており、小売業者がグローバル展開するためには、DCMの高度化が求められている。

NECが開発した技術は、100個以上の大量の商品を一度に識別する画像認識技術と、見えにくい場所の商品の有無を検知するセンシング技術を組み合わせたもので、商品棚に陳列されている全商品の種類、位置、個数など商品管理に必要な情報を瞬時に把握することが可能。

また、商品有無の変化を検知することで、購買者が商品を手に取ったり戻したりする動作を把握し、商品の関心度を推定することができる。

これにより、流通業者は販売実績だけでは困難な購買者ニーズの抽出と在庫管理の徹底、商品販売施策の検証が可能になる。

NECでは「今後も研究開発を進め、流通業、製造、物流、保守事業などに向けて、本技術を活用したC&Cクラウドサービスの実現を目指す」としている。