NEC、精密ハンドリング可能なロボットAI技術開発

拠点・施設日本電気（NEC）は19日、整理されず不規則に配置された物品に対しても、精密なハンドリング作業が可能なロボットAI（人工知能）技術を開発したことを発表した。同技術により、物品や障害物に隠れている領域やロボットの動作結果を予測することで、従来は人手で行っていたハンドリング作業をロボットで代替することが可能となり、生産性の向上や働き方改革に貢献し、物流倉庫や工場などで高まる自動化のニーズに応える。

▲ハンドリング作業が可能な最新ロボット（出所：NEC）

この技術の核となるのは、「世界モデル（ロボットの行動によって世界がどう変わるかを現実に実行することなく予想する技術）」を応用した「時空間予測」技術と、「ロボット動作生成」技術の2つ。映像データから作業環境やロボットの動作結果を精密に予測し、それに基づいて最適かつ精密な動作を自動生成する。これは、昨年発表されたロボット制御AI技術をさらに進化させたもので、ロボットに実行させるのは世界初の試みとなる。

人が行うハンドリング作業は、複雑な動作の組み合わせによって実行されるが、従来のロボットではこのような精密な動作を実現することは困難とされていた。NECの技術では、映像データから多様な物品の動きを予測し、それに適した精密な動作を実行させることが可能となり、多様な形状の物品に対しての精密な動作を、ロボットが自律的かつ最適な順序でリアルタイムに実行できる。

また、人が無意識に行う隠れた領域の予測や完全に見えない障害物との衝突回避など、従来は困難だった隠れた商品形状の予測モデルも効率的に学習させることができ、ロボットが隠れて見えない領域までをも正確に予測し、最適な動作を自動生成する。

同社では、現代の物流倉庫や工場における自動化ニーズに応え、同技術の社会実装を目指した検証を進めることで、生産性の向上や働き方改革への貢献を目指すとしており、21日まで東京ビッグサイトで開催されている「ロジスティクスソリューションフェア2024」にて同技術を紹介している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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