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需要予測型発注で在庫適正化へ前進、シノプス実証

2024年4月12日 (金)

産業・一般卸売向け需要予測型自動発注システム「sinops」(シノプス)を開発するシノプス(大阪市北区)はこのほど、経済産業省が取りまとめたフィジカルインターネットのロードマップやアクションプランに基づき、同社の「sinops-CLOUD」(シノプスクラウド)を活用した需要予測による在庫管理・発注業務DX(デジタルトランスフォーメーション)の実証を行ったと発表した。新商品や販促商品の発注適正化、店舗配送の曜日平準化などの側面から実証を行い、それぞれ一定の効果が確認された。

実証は、経産省が推進する「流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(販促商品等のリードタイムの延長、物流レジリエンスの向上に向けた小売業の在庫管理・発注業務のDX)」の一環で、同事業を受託している有限責任監査法人トーマツ(東京都千代田区)から、シノプスが再委託を受けたもの。

▲実証に協力したコープさっぽろの物流センターの様子(出所:シノプス)

需要予測が難しい新商品や販促商品などは、小売業から緊急的な短いリードタイムでの追加発注が発生するケースが多く、卸売の段階で在庫過剰となることも少なくない。コープさっぽろ25店舗で6週間にわたり行った実証では、販促後の追加発注分も考慮した上で需要予測することで、納期の14日前に発注を確定、卸と予測に基づく適正在庫の連携を図った。

これにより、2週間より短いリードタイムでの追加発注の割合は、販促商品48SKU当たりで58%削減され、欠品率も改善。また卸在庫について、特定販促期間の平均在庫と比較し、18SKU当たりで30.8%圧縮できると推計された。

▲新商品・販促商品の発注適正化への実証の結果(クリックで拡大)

店舗配送の曜日平準化に向けた実証は、コープさっぽろ26店舗で、食品や日用品などを対象に4か月にわたり実施。店舗売上は曜日によって大きく異なることから、発注や納品にもばらつきが生じ、配送業務、物流センター業務の効率性悪化につながるといった課題の解消を図った。実証では、販促納品分を加味した上で直近7日間の需要予測を活用し、賞味期限や定番棚の容量も考慮した上で、曜日ごとの納品ができるだけ一定となる発注数を算定した。

実証の結果、納品が一番多い曜日と少ない曜日の差は、日配以外で1週当たり86%から28%に、日配では1週当たり122%から21%に大幅に抑制されるとともに、欠品率も減少。店舗納品も平準化されたことで、商品陳列工数も従来比38%削減した。また、石狩地区での配送トラック台数は、1月当たり64台から39台へと39%削減できると推計。物流センターの人員稼働も、1年当たり5%削減と推計されるなど、大幅なコスト減が期待できる結果となった。

店舗配送の曜日平準化への実証の結果(クリックで拡大)

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LOGISTICS TODAY編集部
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