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フォークリフト稼働分析でAMRとの自動化連携強化

2024年4月16日 (火)

サービス・商品倉庫業務のスマート化ソリューションを手がけるIndustry Alpha(インダストリーアルファ、東京都板橋区)は16日、アサヒ飲料(東京都墨田区)の物流センターにおける有人フォークリフトと自律走行ロボット(AMR)の連携を実現する自動化プロジェクトに着手したと発表した。

▲フォークリフト作業分析ボックス(出所:Industry Alpha)

このプロジェクトは、物流業界での労働力不足と効率化の必要性を背景に展開されるもので、特にフォークリフトオペレーターの不足をターゲットとするもの。同社は、無人フォークリフトとAMRによる完全自動化ではなく、自動化するには難易度の高い積み込み・積み下ろし作業は引き続き有人フォークリフトが、その他の搬送はAMRが担う半自動化を想定。既存の有人フォークリフトの作業効率を分析し、それに基づいてAMRとの効果的な協業体制を構築することを目指している。

具体的には、アサヒ飲料の物流センター内で、同社の効果測定ボックスを使用し、フォークリフトの運用データを収集する。このデータには位置情報や積載荷物の有無などが含まれ、それを用いてフォークリフトの稼働時間や空運行時間、積み込み・積み下ろし作業の時間割合などを分析、その結果を基に、必要なAMRの台数や、AMR導入による人件費削減効果などを算出し、さらなる自動化の方向性を定める。効果測定ボックスは、フォークリフトに外付け設置するだけで、倉庫などの環境側に機器を設置する必要がなく、安価な赤外線センサーを選定することで、コストの手軽さ、設置の手軽なソリューションとなっている。

このシステムによって、フォークリフトがトラックからパレットを積み下ろし、そのパレットをAMRが受け取り、目的地まで自動搬送するという流れを実現し、フォークリフトの運転による重労働の軽減と、物流センター全体の効率向上が期待されており、アサヒ飲料の倉庫においても実装に向けた検証が行われている。

さらに、この自動化技術は、安全管理や効率的な荷物の受け渡しにも役立つ。例えば、フォークリフトとAMRが近接して動作する際には、互いの位置情報を共有し、安全距離を保ちながら協調作業を行うことができる。また、AMRによる自動搬送の最適化、ヒートマップ分析を通じてロケーション配置の非効率性を改善する効果ももたらす。

同社のこの取り組みは、物流センターのみならず、広範囲にわたる製造業や他の物流施設においても、効率化と自動化を進める上でのモデルケースとして機能することが期待されている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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