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ソフトウエア開発のプロ、ブライセンのWMSは最適化領域の拡張目指す

COOOLaで実現する一気通貫のSC・物流現場構築

2024年5月30日 (木)

話題物流業界にとっての管理システム開発は、ソフトウエア会社に発注して構築するのが一般的だった。物流現場はソフト開発の生産効率を知らず、ソフト開発専門会社は物流現場ごとの多様な課題を先読みする知識に欠けるため、個別の案件ごとに多額の開発期間と投資が必要となっていた。

一方、ブライセン(東京都中央区)のWMS(倉庫管理システム)開発の歴史は、ソフトウエア開発のプロフェッショナル企業としての歩みでもある。1986年の創業時から大手企業の大規模WMS開発に取り組み、その後も大手物流企業の情報システム開発などに携わることで、物流業界での知見を深めてきた。

▲ブライセンのこれまでの歩み(クリックで拡大)

同社は大手物流会社や3PL事業者の要望に応じた管理システム構築を手掛けてきたことで、物流現場を知るソフトウエア開発会社としてのノウハウをWMSに導入することができた。これまでの実績を物流現場に特化したクラウド型WMS開発に注ぎ込み、クラウド型でありながら柔軟なカスタマイズ力と低価格での提供を実現し、物流現場への導入を広めたWMSが「COOOLa」(クーラ)である。

「カスタマイズ力と価格力」で差別化、活用現場は製造業に広がる

▲常務取締役物流流通本部長の吉川玲氏

常務取締役で物流流通本部長の吉川玲氏は、「ソフトウエア開発企業として、外部委託ではなく全て自社で設計、開発してきたことが、COOOLaの強みとなっている。物流業界の課題に早くから対応し、積み重ねてきた実績やノウハウが、私たちのカスタマイズ力、個別の要望への対応力に結実している」と語る。実際に開発力を生かして他社が断念した案件をやり遂げた事例などもあるそうだ。

COOOLaは、クラウド型で提供することで、より多くの事業者が倉庫管理システムとして導入しやすい環境作りを整備。物流業界に求められる庫内効率化、さらにはコロナ禍で変化した物流のトレンドも素早くキャッチアップしながら導入実績を積み重ね、サービス開始後7年間で、700社近くの荷主への導入を果たしている。

導入企業の業種が多方面にわたることも、COOOLaの特長だ。小売流通、薬品・化粧品系、食品系、化学工業原料など、扱い品ごとの特殊性も高い多様なジャンルを満遍なく網羅していることからも、その優れたカスタマイズ力、拡張力がわかる。

▲物流流通本部物流営業部アシスタントマネージャーの鈴木駿氏

COOOLaの活用現場が広がる事例として、物流流通本部物流営業部アシスタントマネージャーの鈴木駿氏は、「2、3年前はコロナ禍でECの需要が増加したのが今ではやや落ち着き、最近は新たに、製造業の導入、問い合わせが増えているのもCOOOLaの特長と言える。倉庫は持っているけどWMSは導入していない、あるいは古いオンプレミス型からの更新が必要といった製造業の基幹入れ替えに合わせたリプレースが多くなっており、当然、物流とは違うニーズにも対応できることで製造現場での評価が高まっている状況」だと言う。

製造業においては完成品の在庫、出庫管理のみならず、素材調達や生産工程管理、さらにはアフターパーツのような故障などに対応するパーツ単位での在庫と出荷管理など、物流事業とはまた違う多様なニーズが存在する。さらに製造業の物流領域のみならず、工場内の組み立て工程での搬送管理の引き合いも増えている。「製造業では1つの拠点での活用から横展開での多拠点への導入を要望されることも多いが、拠点ごとに少しずつカスタマイズが必要となることも多く、そういったきめ細かい対応が可能なことも私たちの強み」(鈴木氏)と言う。

ある自動車メーカーの自動車部品物流では、全国15拠点の工場や物流センターの在庫管理をCOOOLaによって一元管理、部品の入庫から、入荷検査、在庫保管、組み立て・加工作業まで、得意先や工場への出荷はもちろん、製造工程の管理も担う。また、建築資材メーカーの物流センターの管理では、「建築中の現場への納品」において出荷時に地図情報を出力するなどの独自仕様で対応、製造業においても、そのカスタマイズ力が生かされている。

▲WMS専門部隊が独自の仕様変更などを強力に支援(クリックで拡大)

「自社で全て開発できること、さらにスピーディーに対応できることが、私たちの強み。社内の開発チームのみならず、ベトナム、ミャンマーなど海外にも拠点、開発チームを擁し、案件ごとに素早く対応策を構築できるとともに、海外の優秀なエンジニアによる開発体制を構築できることこそ、私たちならではの開発力」(吉川氏)だと語る。

通常半年から1年を要するとされるクラウド型のカスタマイズにおいても、国内の豊富な社内人材のみならず、海外の安価な開発リソースを使うなど国内外の開発チームが連携できる体制を構築し、1か月から時には週単位での納品をリーズナブルな価格で実現するなど、カスタマイズを支える開発力こそが、同社ならではの強みなのだ。

WMSだけではなく、WCS、WESまで、キーワードは「一気通貫」

顧客ごとの個別の要望に対応できる開発力は、業種やジャンルを超えた横への広がりだけではなく、物流における縦への広がりまでも目標に見据える。

ブライセンは新たに、マテハン制御システム「COOOLa WCS」(クーラWCS)も展開している。物流現場で高まる自動化機器やマテハン活用のニーズに対し、自社のロボテック専用ラボでの検証を経て、WMSと合わせたワンストップ対応で、庫内マテハン運用をサポートする独自のWCS(倉庫制御システム)をリリース。「マテハンとの連携において機器ごとにSIerを介することなく、私たちを窓口とした一気通貫の運用が可能。導入から運用、保守まで私たちに相談してもらえれば大丈夫という環境作りを目指す」(吉川氏)

▲WMSからマテハンの連携まで一気通貫での運用を可能とする(クリックで拡大)

さらに、縦への広がりは、倉庫作業の前工程である発注最適化のための、小売・卸事業者向け需要予測型発注システム「B-Luck」(ビーラック)の連携へとつながる。「欠品や過剰在庫の発生を防ぐ店舗流通の課題解決ツールであるB-Luckは、物流現場においても適正在庫の算出、発注の効率化など、荷物が倉庫に入る前段階からの最適化を後押しし、サプライチェーン(SC)のより広い領域で生産性向上に貢献する」(吉川氏)。作業生産性など庫内作業データ可視化から、庫内作業量予測や適正人員配置へと業務の効率化まで、物流DXのCOOOLaと流通DXのB-Luckの連携で、サプライヤーから倉庫、さらには小売店舗と、より広い領域、サプライチェーン全体の最適化を射程に収める。

▲「COOOLa」と「B-Luck」の連携イメージ(クリックで拡大)

「メーカーから倉庫までの領域では賞味期限のデータが共有されているのに、小売店舗ではそのデータが途切れてしまい、確認工程などの無駄な作業が発生することがある。ここでも私たちのソリューションを使って一気通貫での可視化が実現できれば、物流と流通全域での生産性向上にも役立つはず」(吉川氏)。もはや、同社のWMSが管理すべき現場は、倉庫内に収まらない広がりを見せる。航空会社グループのケータリングサービスの会社では航空機内食カートの管理にCOOOLaを導入しており、工場で生産された機内食を、フライト便ごとへ納品、搭載するという運用に活用されるなど、すでにその導入場面は、倉庫内から飛び出してしまっている。

サプライチェーンではメーカーから小売までを一気通貫でつなぐことで最適化を目指すブライセン。物流現場においては、WMSからWCSまで一気通貫のコンセプトを掲げる同社は、「さらにもう一歩先の取り組みとして、WES(倉庫運用管理システム)の開発も見据え、よりスムーズで機能性の高いワンストップでのサービス提供を計画している」(吉川氏)と言う。

庫内はもとより、倉庫を飛び出してサプライチェーン全域へと、強く、広く、一気通貫での最適化を目指すブライセン。創業38年の歴史に培われたシステム開発の経験と、国内外の開発スタッフへの信頼を基盤に、常に一歩先の最適化を見据えて、物流の改革に挑み続けていく。

「COOOLa」サービスページ

https://cooola.jp/wms/

・問い合わせフォーム
https://cooola.jp/contact/