荷主豊田自動織機(愛知県)は6日、自己株式の公開買付けを行うと発表した。これは同日開催の取締役会で決議されたもので、会社法第165条第3項及び第156条第1項に基づくもの。
同社は株主還元の一環として、株主利益の向上を経営の重要方針に位置付けており、安定的な配当を重視している。剰余金の配当については継続的に行う方針であり、業績や資金需要、配当性向を勘案しながら株主の期待に応え続ける。また、内部留保資金は設備投資や研究開発に有効活用しつつ、株価の動向と資本構成を考慮しながら、機動的に自己株式取得を行う。
2024年3月期の配当は中間配当金1株あたり100円、期末配当金1株あたり140円であり、年間では1株あたり240円、連結配当性向は32.6%である。加えて、同社は「2030年ビジョン」を基に経営の目線を新たに設定し、中長期的な企業価値向上を目指して自己資本当期純利益率(ROE)8%を目指すことを掲げている。
この背景には、2024年5月10日に公表された「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」がある。同社は同月13日から1年以内に、取得株式総数1000万株、取得価額総額1800億円を上限とする自己株式の取得を決定した。このような中で、同社は主要株主であるトヨタ自動車から所有株式の一部を自己株式として取得することを前提に検討を開始した。
トヨタ自動車は現在、同社普通株式7660万604株(所有割合24.67%)を保有しており、今回の公開買付けではその一部である250万株(所有割合0.81%)を対象とする。買付価格は、2024年6月5日の東京証券取引所プライム市場における終値1万4255円に対して10%のディスカウントを行った1万2830円である。
この公開買付けにおいて、応募株券等の総数が買付予定数を上回った場合は、法に基づくあん分比例の方式により買付けを行う。なお、本公開買付け後も、トヨタ自動車は引き続き所有する同社普通株式については保持する方針。
本公開買付けに必要な資金は全額自己資金で賄う予定であり、決済は2024年7月29日に開始される。
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