拠点・施設アライプロバンスは23日、同社が建造中の新施設「アライプロバンス葛西A棟」の内覧会を開催した。浦安に続く物流施設開発となるが、より都心に近い都市型志向の物件となる。

▲「アライプロバンス葛西A棟」内覧会で施設概要を説明する新井太郎社長
同施設は東京東部、23区内に建つ都市型施設。東関東自動車道(東関道)・葛西インターチェンジ(IC)、浦安ICまで4-7キロというトラック輸送に至便の立地。羽田空港や東京港、船橋などの港湾との連携もしやすく、東関道経由で成田空港へのアクセスも良い。リーシングは総賃貸面積の20%、4件が契約に至っており、うち3件は保税通関倉庫としての利用だという。
同物件は住宅地、消費地へのアクセスが良いのも大きなアドバンテージ。ラストワンマイル配送の拠点としても大きなメリットを見込み、リーシング済みの残り一件はイオングループが展開するネットスーパー「グリーンビーンズ」が決まっているという。そのほかにもEC(電子商取引)配送などにも生きそうな立地といえる。また、東京駅まで17キロ(自動車で24分)というアクセスの良さから、消費地の店舗配送の拠点としても利用価値の高いロケーションだ。
最大9分割の小割区画での賃貸が可能

ランプの中に設置されたキュービクル(電源設備)。非常用発電機、受水槽などとともに高潮浸水時の想定水位よりも高い位置に設定されている
1-4階まではトラックバースを備えた汎用性の高い構造で、5階は4階と垂直搬送機でつながるメゾネット形式。各フロアは1万平方メートル弱-1万5000平方メートルだが、同物件では小割での賃貸に対応。例えば9986平方メートルの2階は2720平方メートルから4031平方メートルの4区画でリースすることもできるが、さらに小割りな1168平方メートルから1732平方メートルの9区画でのリーシングも可能。同社はこの物件に「ハイパースペース・ロジスティクス」と銘打っているが、これはこうした柔軟な区画設定が可能なことが由来となっている。
東京と千葉の県境は中小規模の工場も多く、機械部品などの比較的規模の小さい保管庫としての需要も期待しているという。
最寄り駅多数でワーカーの採用にも好立地
これからの多くの産業にとって課題となるのが働き手の確保。同社でも庫内ワーカーを確保しやすいようにということで、カフェテリアや無人コンビニエンスストアなどを設置。こうした施策は今や一般的だが、同物件の南向きカフェテリアからは旧荒川河口が一望にでき、その向こうには東京ディズニーランド(TDL)を望むことができる。TDLでは毎夜打ち上げ花火が打ち上げられるが、これも眺めることができ、常時立ち入り可能な屋上テラスからも同様の景色が楽しめる。ワーカーを楽しませるだけではなく、取引先との商談などでの利用も可能だ。
▲アライプロバンス葛西A棟5階カフェからは東京ディズニーランドの花火を望める。カフェのカウンターには、スマホスタンドにもなる電源が設置してある
施設に隣接してアリオ葛西、島忠などの商業施設があり、ワーカーの出退勤時の買い物や食事にも便利。東京メトロ東西線葛西駅、浦安駅、瑞江駅などからのバスも充実。近隣市区はもちろん、千葉県のやや遠いエリアからの通勤も見込んでいるという。
名称:アライプロバンス葛西A棟
所在地:東京都江戸川区東葛西9-24-2ほか
敷地面積:3万5040平方メートル(1万599坪)
延床面積:8万7122平方メートル(2万6354坪)
構造規模:鉄骨造・地上5階建て
床耐荷重:1.5トン、梁下有効天井高:5.5メートル(一部5.4メートル)
柱スパン:10.8×10.5メートル、ドックレベラー:20台(通過過重6トン)
貨物用エレベーター4台(3.5トン)、垂直搬送機2台(1.5トン)
完成:2024年8月(予定)
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