話題先進的な物流施設開発が続く尼崎市。注目の大型プロジェクトも相次ぐが、その「大トリ」に位置付けられるのが、日本GLPによる「GLP ALFALINK(アルファリンク)尼崎」だ。地域に開かれた大型物流施設の開発事業であるアルファリンクブランドとして全国4番目、関西では茨木に続いて2番目のプロジェクトとなる。
営業本部営業開発部の平井孝史氏は「これだけの物流ポテンシャルを持つ街に、これだけまとまった用地を確保できたことは、奇跡ともいえる。今後これだけの好立地を確保することは難しいということを考えれば、GLP ALFALINK尼崎はこの地の物流拠点開発の、集大成的な意味合いがある」と語る。
物流での活性化へ、変貌する尼崎市の未来を担う
尼崎市は人口46万人を擁する兵庫県の中核都市である。大阪市に隣接し、大阪都心エリアと一体の巨大商圏に属する。さらに神戸市と大阪市を結ぶ阪神間の人口集積地でもあり、同社では1時間での配送可能人口は1240万人以上と、日本人口の10%をカバーできる物流の重要エリアだ。
ALFALINK尼崎の開発地は、市の経済を支えた南部の工業地帯にある。「物流」による活性化で街は大きく変化しており、中でも、その規模の大きさと地域共生のコンセプトで「新しい街の風景」を作り出しているのが、ALFALINK尼崎といえるだろう。
大阪駅まで直線距離で9キロに位置し、国道43号を利用すれば大阪都心部へは30分。阪神高速3号神戸線・尼崎西インターチェンジ(IC)まで300メートル、5号湾岸線・尼崎末広ICまで2.5キロ。「関西全域への広域配送の物流拠点として優れており、名神高速道路・尼崎ICを起点とした配送網の構築も想定可能。大阪港と神戸港という2大貿易港へのアクセスも至便と、西の物流拠点としてあらゆるニーズに対応できる」(平井氏)
また、阪神本線・尼崎センタープール前駅から徒歩7分(500メートル)でアクセスできるのも大きな魅力だ。住宅エリアも近接し、徒歩あるいは自転車通勤可能な労働力の確保も容易な都市型施設でもあり、雇用確保においても優れた立地である。
多様な物流ニーズに応えるフロア仕様で、広がる運用アイデア
完成すれば北棟(仮称)と南棟(仮称)の2棟からなる総延床面積37万平方メートルの大型多機能施設。25年10月完成予定の北棟(仮称)は、延床面積11万2000平方メートルで、すでに成約しているという。
南棟(仮称)は、「延床面積23万8400平方メートルのマルチテナント型で、25年10月末の竣工を目指す。すでに成約完了した区画も多数あり、尼崎を拠点とした物流構築のニーズの高さを実感している」(平井氏)
GLP ALFALINK尼崎南棟(仮称)は、ダブルランプウェイを備えた6階建てで、広大な運用スペースと機動力を兼ね備えている。「エリアには日用雑貨メーカーや食品流通系企業、工業メーカーや3PL、ラストワンマイル配送事業者など、多種多様な物流ニーズが集まる場所。近隣への迅速な配送だけではなく、港経由などの大型資材などの保管需要など、ありとあらゆる商材や倉庫運用が求められる土地柄なだけに、各フロアごとに特長のある仕様を備えている」(平井氏)
1階から3階までは、ダブルランプウェイの機動性と広いスペースの平面使いを最大限に活用できる構造。4階と5階はメゾネット使いを想定した設計で、垂直搬送機と荷物用エレベーターを備えて流通と保管をバランスよく両立でき、大型商材の保管などにも適したフロアとなっている。
最上部6階は、1万5500平方メートルのフロアに両面バースを配置する。通過型の高速対応の他にも、転貸などで必要な区画を有効活用するような運用方法も想定できる。
平井氏は「すでにたくさんの引き合いをいたただいている。尼崎でしか実現できないサプライチェーン構築など、効果的な運用アイデアも広がるはず、まずは相談いただきたい」と語る。
ALFALINKの「Open・Hub」構想を、関西に広げる尼崎
すでに南棟(仮称)の1階と2階では、佐川急便が計290バースを活用した大スケールでの運用が決定している。佐川急便は、この拠点を「大型中継センター」として稼働させる計画である。全国の営業所、中継センターで構築した輸送ネットワークインフラの要となるのがこの大型中継センターであり、関西エリアにある4か所の中継センターを尼崎に集約することで、大型トラック運行台数の削減、より効率的な自動化設備運用、CO2排出削減などを目指す。
佐川急便の拠点があることは、他の入居企業にも大きなメリットとなる。平井氏は「入居企業間の協働や共創を目指すALFALINKを体現する体制の基盤となる」と期待する。
先行するALFALINKでは、協働・共創をテーマにした入居企業同士の取り組みも実現している。GLP ALFALINK相模原での交流をきっかけに、入居テナント同士の協業サービスも生まれており、物流危機に対応する共同配送や波動対応など、ALFALINKをつなぎ目とした新しい試みが生まれることへの期待も大きい。
GLP ALFALINK尼崎だけでも大きな連携が予想できるが、すでに稼働している既設の施設(GLP尼崎I、尼崎II、尼崎III、尼崎IV)、西宮市のGLP鳴尾浜など、その連携、「リンク」を広げていくことで、また新しい共創アイデア、より大きな協働事業へと結実することも可能となるだろう。「ALFALINKのスケールを中心に連携の枠を広げられるからこそ、今はまだ実現しない課題解決のきっかけが見つかるのではないだろうか。スケールメリットを生かした協働、共創の場となり得るのがALFALINKの魅力」(平井氏)
関西のALFALINK第1号施設となるGLP ALFALINK茨木では、すでに満床のI、IIに続いて、25年8月にGLP ALFALINK茨木IIIも竣工予定であり、尼崎、さらには関西のALFALINKを軸とした連携も、スケールを拡大していく。
21世紀の森構想と共鳴し、まちづくりに参加する物流施設
GLP ALFALINK尼崎には、北棟(仮称)と南棟(仮称)のほかに、共用棟が開設される。レストラン、カフェテリア、コンビニ、子育て支援施設や、芝生広場、さまざまな球技などが楽しめるマルチコート、さらに人材派遣会社の事務所も設置し、ALFALINK内で事業課題の相談に対応するとともに、入居テナント同士のコミュニケーション、協働・競争が生まれる場も提供する。
入居者だけではなく、地域の人々も利用できる開かれた施設としてALFALINKのコンセプトであるOpen Hub(オープン・ハブ)を体現するのが共用部分なのである。すでに関東のALFALINKでは、夏祭りなどのイベント開催や、安全教室、サッカー教室など、地域の日常生活に溶け込んだ施設となっている。入居企業と地域の人々との交流なども促されることで、物流全般への理解を深めていくスタート地点になるに違いない。
▲アルファリンクでの地域交流イベントの様子
尼崎市は、市の臨海地域を魅力と活力ある場所に再生し、環境共生型のまちづくりを目指して「尼崎21世紀の森構想」を02年に策定している。工場の遊休地利用もこの構想に基づいて、地域の暮らしと環境との共生を目指しており、GLP ALFALINK尼崎もその取り組みに積極的に関与する。自家消費型太陽発電やグリーン電力の購入によるCO2削減はもちろん、周辺景観と一体化した緑地、緑道の設置などでも物流企業としての取り組み方を示し、「物流を止めない」ことによる社会貢献を目指した万全のBCP対策も整える。
「尼崎21世紀の森構想は、まさにALFALINKのコンセプトと重なる。施設というハードだけではなく、入居企業間の協働、地域の人々との連携を進めながら、雇用など経済の活性化も後押しし、Open・Hubのコンセプトを関西の人々にも広く理解してもらえる拠点としたい」(平井氏)
所在地:兵庫県尼崎市道意町7
用途地域:工業専用地域
総敷地面積:16万3000平方メートル
総延床面積:36万8000平方メートル
構造:プレキャスト・プレストレストコンクリート工法/免震構造
「GLP枚方IVウェビナー」
日時:8月27日(火)、28日(水)、9月5日(木)、6日(金)
各日4回実施(①11時/②12時/③14時/④16時)
<当日内容>
1. GLP枚方IVのプロジェクト説明
2. GLPの関西エリアの募集物件紹介
3. 関西内陸エリアの物流マーケットの徹底解説(ウェビナー限定)
■詳細・申込フォーム
https://attendee.bizibl.tv/sessions/seLfBOHHbGB5?s=6r5tsvmh4p
「GLP ALFALINK茨木」完成披露内覧会
日時:9月18日(水)、19日(木)、20日(金)
各日3回実施(①10時/②13時/③15時30分)
■詳細・申込フォーム
https://www.glp.com/jp/alfalink/ibaraki/
所在地:【茨木1】大阪府茨木市東野々宮町1-40、【茨木2】大阪府茨木市南目垣3-3-3、【茨木3】大阪府茨木市南目垣・野々宮区画整理事業地内
総敷地面積:13万5000平方メートル
総延床面積:32万平方メートル
アクセス:名神高速道路・茨木ICから5.5キロ、同・吹田JCTから6.2キロ、近畿自動車道・摂津北ICから3.7キロ
構造:【茨木1】【茨木3】耐火構造/免震構造、【茨木2】耐火構造/耐震構造
完成(予定):【茨木1】【茨木2】24年8月、【茨木3】25年8月