調査・データパーソルプロセス&テクノロジー(東京都江東区)は19日、昨年度国土交通省より受託した「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証に関する調査業務」を実施し、成果報告を行ったことを発表した。
同事業では、9つの事業者がドローンを活用したラストワンマイル配送を社会実装するため、全国9地域で「レベル4飛行」「ドローンポートとの連携」「自動配送ロボットとの連携」「新たなモビリティとの連携」に関する実証実験を実施。同社は今回、各地域で行われた実証実験の成果を取りまとめ、コスト比較、CO2排出量削減効果、4つの観点(事業面、技術面、制度面、社会受容性)から整理を行った。
実証では、既存の配送方法に対し3フェーズ(配送時、実証時、実運用時)に加え、一対多運航(1人の操縦者が多数の機体を運航管理すること)を実施した場合のコスト削減効果を検証。「レベル4飛行」では規制緩和による補助者や操縦者の人件費削減、「ドローンポートとの連携」「自動配送ロボットとの連携」「新たなモビリティとの連携」では配送物の積み下ろしやユーザーへの受け渡しにかかる人件費削減が見られた。その結果「レベル4飛行」では実運用時において、「ドローンポートとの連携」では多運航時において、それぞれ既存方法の配送コストを2割程度削減できる可能性が見出されたとしている。
また、「レベル4飛行」では、1対多運航の実現によりさらなるコスト削減が可能となるが、「新たなモビリティとの連携」では1対多運航だけでは十分なメリットを得られない。そのため、宅配車両との共同利用や、乗客が使用しない空きスペースを貨物輸送に活用することで、さらなるコスト削減が期待されるとしている。さらに、「自動配送ロボットとの連携」「ドローンポートとの連携」は初期費用が高いため、自動配送ロボットを含めた多運航が求められるとしている。
なお、従来の車両などを用いる配送を全てドローンで代替した場合、CO2削減率は76.5%と高い効果が算出された。今後は、ドローンで運搬できる貨物などの重量が増えることや、機体の耐風・耐水機能の強化により、年間を通じた運航率の向上が期待されるため、さらに高い削減率になると見込まれるとしている。
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