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ボーイング、787型機のデリバリー再開「数週間後」

2013年4月22日 (月)

ロジスティクス米国ボーイング社は19日(現地時間)、米連邦航空局(FAA)が787型機のバッテリー改善案を承認し、機体の改修作業の実施が可能となったことを受け、航空会社による運航再開と新造機のデリバリー再開に向けて準備を開始すると発表した。

FAAの認可は、改善策を導入した米国航空会社の保有する787型機の運航を認めるものだが、それ以外の787型機に関しては各国の航空当局の認可を必要とする。

787型機のバッテリーシステム改善案は、バッテリー個々の構成要素や、充電器と新容器を含むバッテリー全体が通常の状態とともに、問題が発生した状態でも想定通りに機能するかを実証する認証用テストをFAA管理下で3月初旬から1か月間実施し、そのテスト結果をFAAが検証した後に承認した。

同社は、米国家運輸安全委員会と日本の運輸安全委員会の調査に協力し、サプライヤー企業と協業して広範囲におよぶ技術的分析やテストを遂行、1月に発生したバッテリーの2件のトラブルの想定される要因を導き出した。

その後、テスト計画の構築、テストリグの製造、テストの実行と結果分析を行なうなど、10万労働時間をかけて必要要件に適合する改善案を完成したという。

改善策では、バッテリーの問題発生の可能性を軽減し、問題が発生してもほかへの波及を防ぐように設計変更を施した。また、製造とテストプロセスを改善し、新たな格納・排気システムも導入。バッテリーにオーバーヒートが発生しても航空機や乗客に影響が及ばないようにした。

787型機の最終組立を行う2か所の工場でも、新造機への新バッテリーシステムの導入を開始し、数週間後をメドに新造機のデリバリーを再開する。

1月の問題発生以来、ボーイングは787型機のデリバリーを停止していたが、2013年度の予想デリバリー機数については達成可能と見込んでいる。