調査・データ東京商工リサーチ(TSR)は8日、今年上半期(4-9月)に倒産した企業のうち、負債1000万円未満の倒産が292件となり、昨年同期に比べ28.6%増加したとする調査結果を公表した。年度上半期では2年連続で前年同期を上回り、2010年度以降では、コロナ禍の2020年度に次いで2番目の高水準となった。国のコロナ関連支援策が終わり、円安や物価高、人件費の上昇などが小・零細企業の経営を圧迫している現状を反映する結果となった。
倒産数の内訳を産業別に見ると、最も多かったのが飲食業44件を含む「サービス業他」の133件(前年同期比49.4%増)で、小売業の44件(同25.7%増)、建設業の37件(同7.5%減)が続いた。
倒産の原因は、販売不振が最も多く187件(同7.4%増)で全体の6割を占めた。形態は破産が286件(同30.5%増)で98%に達した。
負債1000万円未満の倒産の9割は個人企業を含む資本金1000万円未満の事業者が占めている。こうした事業者は事業規模が小さいだけに取引上の立場が弱く、価格転嫁も容易ではない。さらに物価高や人件費上昇などが収益の足かせとなり、コロナ禍からの業績改善が遅れている。
これまで借入金や支援策を頼りに事業を継続してきたが、今後、金融機関の貸出金利の上昇や、人件費の高騰が予想されることから、同社は「先行きを描けない小・零細企業は、経営の立て直しだけでなく、事業存続の可否も検討する時期を迎えている」と指摘している。
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