調査・データ東京商工リサーチ(TSR)は14日、2024年の負債1000万円未満の倒産が536件(前年比8.2%増)となり、2年連続で前年を上回ったと発表した。
負債1000万円未満の倒産は4年ぶりに500件を超えた。コロナ禍の影響を大きく受けた2020年に630件と急増し、以降21年が472件、22年が410件と2年連続で減少していたが、23年は495件と増加に転じ、高水準が続いた。
産業別では、最多がサービス業ほかの243件(同6.1%増)で、全体の45.3%を占めた。以下、建設業81件(8%増)、小売業77件(20.3%増)、卸売業44件(10.0%増)と続く。形態別では、破産が523件(8.9%増)、特別清算が11件(120%増)で、この2原因を合わせた「消滅型」倒産は534件(構成比99.6%)で、大半を占めた。原因別では、最多が「販売不振」353件(3.5%減)だったが、2年ぶりに前年を下回った。一方で、倒産の増加に伴い「他社倒産の余波」(連鎖倒産)が71件(69%増)に急増した。
同社の分析では、物価高や人手不足に苦しむ企業が多いなか、政府は最低賃金1500円の目標を2020年代に前倒しし、賃上げ機運も小・零細企業にプレッシャーをかけている。倒産が増える環境に向かうなか、人材確保や生産性向上への取り組みが後手に回り、収益悪化に歯止めをかけられない企業を中心に今後も負債1000万円未満の倒産が増加する可能性は高いとした。
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