調査・データ東京商工会議所流通・サービス委員会は10月31日、東京都内の荷主・運送事業者に時間外労働の上限規制やドライバー不足への対応などを聞いた「流通・サービス業における価格戦略および物流2024年問題に関するアンケート」の結果を公表した。従業員100人以下の企業では、他業種に比べ賃上げを実施できない企業の割合が高かった。
調査は今年9月2日から13日まで、流通業・サービス業関連事業者1万3277社を対象に郵送とインターネットで実施。1941社から回答があった。
調査結果によると、従業員数100人以下の企業では、「前向きな賃上げ」をした企業が24.0%、「防衛的賃上げ」を実施した企業が30.6%、「賃上げを実施していない」企業が33.9%だった。賃上げを実施した企業は5割を超えたが、賃上げ実施企業を100とした場合、「防衛的な賃上げ」が56.1%と半分を超えた。全業種を対象とした他調査と比較すると、「賃上げを実施していない」企業の割合が高く、中小の流通・サービス業では防衛的な賃上げすら難しい企業が多いことがわかった。
価格戦略では、「(商品・サービスの)付加価値を高める必要性を感じている」企業は、従業員規模に関わらず約95%を占めた。しかし、従業員数100人以下の企業の66.6%の企業が、「付加価値を高める必要性を感じているものの、目標とする価格より安価な価格で販売している」と答え、価格転嫁が進んでいない実態をうかがわせた。
「生産性向上の必要性を感じている」と回答した企業も、従業員数100人以下の企業では83.8%、100人超の企業では90.5%を占めたが、100人以下の企業の42.6%が「必要性を感じているが、取り組みをしていない」と答え、多くの企業で効率化や省人化に取り組めていない。
時間外労働の上限規制による人手不足など「物流2024問題」の影響については、荷主企業で「輸配送コストの上昇」、「輸配送日数が伸びた」といった声が多かった。物流事業者では「ドライバーの採用難」、「人件費の増加」、「売上の減少」が上位を占めた。
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