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最低賃金1500円なら7月に「壁」突破、TDB

2024年11月15日 (金)

調査・データ帝国データバンク(TDB)は15日、最低賃金が1500円に引き上げられると、パートタイム労働者の年収は7月に「103万円の壁」を超えてしまうとのシミュレーション結果を明らかにした。最低賃金だけを上昇させていくと、夏本番を前に勤務時間の調整を行う労働者が現れると指摘し、「年収の壁」の引き上げなどが必要であるとした。

今年10月に行われた衆議院選挙では、複数の政党が「最低賃金を1500円に引き上げる」との公約を掲げた。これを受け、同社は最低賃金が引き上げられたときの影響を検証した。

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2023年のパートタイム労働者の月間実労働時間の平均は79.3時間で、平均時給は1279円となっている。

同社がこれを基に計算すると、11月になった段階で年収が101万円を上回り、103万円目前となる。同じ労働時間で、時給を1500円で計算すると、9月中旬ごろには103万円を超えた。

また、23年の最低賃金の全国平均は1004円で、同年のパートタイム労働者の平均時給と比較すると、差額は275円となる。仮に、この差額がこのまま推移して、低賃金の全国平均が1500円に到達すると、パートタイム労働者の平均時給は1775円となり、月間実労働時間が79.3時間の場合、7月中旬には103万円に到達してしまう。

最低賃金の引き上げには、企業から「人件費が増加し、収益が悪化する」との声もあるが、こうしたことを考えると、働き控えによる人手不足もさらに深刻になる恐れがある。

同社は「労働者が望まない勤務時間の調整を生じさせないように年収の壁を引き上げることも重要な課題だ」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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