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内航総連、燃料高騰で荷主に価格転嫁要請

2026年5月7日 (木)

行政・団体日本内航海運組合総連合会(内航総連)は7日、内航輸送を利用する荷主向けに、燃料価格高騰への対応に関する協力要請文を公表した。中東情勢の緊迫化を受け、内航船で使用する重油や潤滑油、塗料など石油関連製品価格が急騰していることに加え、一部で販売停止や数量制限の動きも出ているとして、燃料サーチャージ導入や運賃改定協議への柔軟な対応を求めた。

内航海運は、国内貨物輸送の4割をトンキロベースで担い、鉄鋼、石油製品、セメントなど産業基礎物資輸送では8割を占める重要インフラとされる。総連は、現在の燃料高騰が長期化した場合、「安定輸送の確保に支障が生じる懸念がある」と指摘。エネルギーコスト上昇分を適切に運賃へ反映する必要性を強調した。

国土交通省が3月に公表した「内航海運における運賃・用船料等算出の『標準的な考え方』」では、船員費、燃料費、修繕費、減価償却費などを積み上げる「コストベースプライシング」を基本とし、原価構造を明示したうえで価格交渉を行う考え方を整理。燃料費についても、原油価格変動を踏まえたサーチャージ設定を有効策として提示している。

総連は今回の要請で、荷主側に対し、あらかじめ決めた改定時期だけでなく、契約期間中でも価格変動に応じて協議へ応じるよう求めた。特に燃料サーチャージ制については、基準価格を定めたうえで、内航事業者から導入協議があった場合に誠実に対応するよう要請している。

また、2026年1月から、内航運送契約の一部が「中小受託取引適正化法」(取適法)の適用対象となったことにも言及。同法では、価格協議に応じないまま一方的に代金を決定する「買いたたき」が禁止されている。国交省資料でも、燃料費や船員費など主要コスト上昇が公表資料から確認できるにもかかわらず、価格据え置きを続けた場合、「買いたたき」に該当する可能性があると整理している。

標準的な考え方では、内航海運業者の99.7%が中小事業者であり、荷主との力関係から十分な運賃・用船料を収受できない構造課題を指摘。調査では、3割のオペレーター、4割のオーナーが「対価が不十分」と回答している。

近年はモーダルシフト推進や災害時輸送力確保の観点からも内航海運への期待が高まる一方、船員不足や老朽船更新負担、燃料価格変動への対応が経営課題となっている。今回の要請は、中東情勢を背景としたエネルギー価格上昇を受け、持続的な内航輸送維持に向けた価格転嫁の必要性を改めて示す内容となった。

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LOGISTICS TODAY編集部
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