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日EU閣僚会合、物流安保視野にデジタル協力深化

2026年5月7日 (木)

行政・団体政府は7日、ベルギー・ブリュッセルで開催した第4回「日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合」の内容を公表した。会合では、半導体サプライチェーン、海底ケーブル、データ流通、AI(人工知能)、量子技術など幅広い分野で協力を強化する共同声明を採択した。地政学リスクや経済安全保障への対応を背景に、デジタル基盤とサプライチェーンの一体的な強靭化を進める姿勢を打ち出した。

会合は5日に開催され、日本側から松本尚デジタル大臣、林芳正総務大臣、越智俊之経済産業大臣政務官、EU側からヘンナ・ヴィルックネン欧州委員会上級副委員長らが出席した。共同声明では、デジタル協力を「経済安全保障とレジリエンスの柱」とし、制度協調から具体的な産業連携へ段階を進める方針を確認した。

(出所:経済産業省)

物流・サプライチェーン分野では、半導体と海底ケーブルが重点テーマとなった。半導体では、日EU間で構築している「早期警戒メカニズム」を活用し、地政学リスクや自然災害による供給網混乱を未然に把握・緩和するための情報共有を継続することで合意した。対象範囲も拡大し、サプライチェーン寸断時の協調対応を強化する。非市場的政策による供給偏在や、特定地域依存への懸念も共有した。

海底ケーブル分野では、インド太平洋や北極圏ルートを含む通信網の冗長化を推進する。北極海経由ルートについては、通信遅延低減やDFFT(信頼性のある自由なデータ流通)推進の観点から重要性を確認した。欧州と日本を結ぶ通信インフラの冗長化は、デジタル物流基盤や越境データ流通の安定性向上にもつながる。

また、データガバナンス分野では「日EUデータ戦略ワーキンググループ」を新設する。欧州のデータスペースと日本側プラットフォームの相互運用性を高め、サプライチェーン関連データの共有促進を図る。自動車分野では、蓄電池のカーボンフットプリント情報を共有する「ウラノス・エコシステム」と欧州「Catena-X」の連携強化を確認した。電池トレーサビリティーや炭素情報管理の標準化は、物流分野でも今後重要性が高まるとみられる。

AI分野では、安全で信頼性の高いAI活用に向けた協力文書への署名方針を再確認した。行政分野でのAI導入事例共有や、国際AIガバナンスでの連携も進める。量子技術では、量子-HPCハイブリッド研究「Q-Neko」を推進し、材料科学や通信ネットワーク最適化などへの応用を検討する。

EUでは近年、デジタル主権や経済安全保障政策を背景に、サイバーセキュリティーやデータ規制、重要インフラ保護を強化している。一方、日本側もサプライチェーン強靭化や半導体・通信インフラ保全を国家戦略に位置づけており、今回の協力深化は物流・製造・通信を横断する産業基盤連携として広がりを見せている。

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