調査・データ帝国データバンク(TDB)は20日、本業の利益よりも借入金の利息の支払いなどのほうが多い「ゾンビ企業」の数が7年ぶりに減少に転じ、2023年度は22万8000社となったとするレポートを公表した。実質無利子・無担保のゼロゼロ融資の返済がスタートしたことなどで、指標が改善したと見られるという。「運輸・通信」はゾンビ企業と判断された企業が22.6%を占め、業種別で最も割合が高かった。
国際決済銀行の定義では、設立10年以上の企業で、3年連続して支払利息や割引料が営業利益や利息などの利益を上回ると、ゾンビ企業とされる。TDBでは同社が保有する企業財務データをもとに、毎年ゾンビ企業と判断される企業の数をまとめている。
レポートによると、23年度のゾンビ企業の数は全体の15.5%となった。前年度に比べ企業数で3万4000社(13.0%)の減、全体の割合では2.4ポイントの下落だった。
減少の理由について同社は、23年5月の新型コロナ「5類移行」にともなう社会経済活動の正常化のほか、価格転嫁の進行、ゼロゼロ融資の元本返済開始による過剰債務状況の改善などを挙げている。企業倒産や休廃業・解散、私的整理などが増えたことも要因の1つだとしている。
ゾンビ企業率を業種別にみると、燃料高や2024年問題などで経営環境が厳しい貨物運送業を中心とする「運輸・通信」が22.6%で最も高かった。次いで、22年度にトップだった「小売」の21.0で、前年に比べ6.7ポイント低下した。その他の業種も横ばいだった建設を除き、全業種で割合が低下した。
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