調査・データ東京商工リサーチ(TSR)は3日、2024年の「人手不足」関連倒産についての調査結果を公表した。
2024年に「人手不足」が一因となった倒産は、2013年以降で最多の289件(前年比81.7%増)だった。内訳は「求人難」が114件(同96.5%増)、「人件費高騰」が104件(同76.2%増)、「従業員退職」が71件(同69%増)で、いずれも最多を更新した。
産業別では、サービス業ほかが88件(前年比60%増)、建設業75件(同158.6%増)、運輸業69件(同76.9%増)など、労働集約型産業で増加が目立った。形態別では「破産」が268件(同77.4%増)で全体の9割超(92.7%)。資本金別は1000万円未満が186件(前年比91.7%増)で、小・零細企業が大半を占めた。
同社の分析によると大手中心に進む賃上げが中小企業を追い詰めており、特に無理な賃上げで人件費上昇に耐えきれなくなった倒産が増えている。賃金水準や福利厚生などで大手や中堅企業に並ぶのが容易でない小・零細企業では年々、従業員の採用や引き留めが難しくなっており、人手不足で受注機会を喪失し業績回復が遅れる悪循環に陥りやすくなっている。過剰債務の解消が先送りされ、円安で物価高にも見舞われている中小・零細企業の賃上げには、既存ビジネスモデルからの早期転換とそれを支える支援が急務になっている。
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