サービス・商品エグゾテック(フランス)の100%子会社であるExotec Nihon(エグゾテック・ニホン、東京都港区)は7日、同社の東京デモセンターで、倉庫自動化の新ソリューションを発表。日本法人代表取締役でアジアパシフィック地域社長の立脇竜氏が、新製品の概要や機能について紹介し、実機を公開した。

▲左からフィリップ・セトン氏、立脇氏
今回発表したのは、代表的な庫内自動化ソリューション、Skypod(スカイポッド)システムの”次世代モデル”。従来品より搬送ロボットがコンパクトになり、保管に必要な面積を30%削減。また、1台のワークステーションでの処理能力は従来品よりも50%向上させた。
システムの新たな機能として、注文処理済みのコンテナをシステム内で一時バッファーして一元処理することが可能となった。注文処理済みのコンテナなどを一時保管後に、効率的なタイミングで出庫することが可能となる。
さらに、各オーダーに対しての順立て出庫機能も備えた。ロボットが注文をグループ化し、指定した順序で搬送する。配送ルートや積み込み・荷下ろし要件に基づいた出荷を、スカイポッドシステムのみで実現し、配送工程全体を効率化する。

▲店舗向けオリコンへの「ピック&パック」実演
また、ラック内に出荷用の段ボール箱(EC配送用)、オリコン(店舗など配送用)も収納することで、在庫保管コンテナと同時に、必要な出荷箱もワークステーションに搬送する「ピック&パック」機能も加えた。これにより、1人のオペレーターが出荷箱(あるいは出荷オリコン)に直接ピッキングすることが可能となり、ピッキング工程と梱包作業を統合し、スムーズな出荷へと連携できる。さらに、ロボットが適切なサイズの出荷箱を自動で選定してステーションに届けるため、出荷箱への充填率も向上し、社会課題でもあるトラック積載率の向上にも貢献する。これまでの自動倉庫システムでは、主に保管工程とピッキング工程に重点が置かれていたが、次世代スカイポッドの新機能では、荷合わせ、梱包、出荷工程までの効率化も実現する。
新機能を備えたことで、ECだけではなく実店舗配送、倉庫内だけではなく配送や店舗の品出しでも効率化が期待できる。さらに、TMS(輸配送管理システム)や、バース予約システムと連携したオペレーションを構築することで、保管の前後工程のサプライチェーン最適化も後押しし、これまでのコストセンターとしての倉庫からの転換、「倉庫をビジネス成長の基盤とすることをお手伝いする」(立脇氏)という。

▲EC向け運用では適切なサイズの段ボール箱が届けられる
この次世代スカイポッド・システムは、すでにフランス企業での試験運用で機能を実証し、日本での受注もスタートしている。同社が、サプライチェーンのゲーム・チェンジャーと位置付けるこの新システムの発表会には、フィリップ・セトン駐日フランス大使も参加し、実機のデモ運用を見守った。
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